独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 12月 2009

指宿 菜の花通信(No.4)「政権交替」

今年を象徴する出来事はなんと言っても「政権交代」でしょう。アメリカでは1月、オバマ大統領、わが国では9月、鳩山政権が誕生しました。単なる政権交代ではなく、今までの路線・政策の大きな転換を掲げた政権交代でした。

オバマ大統領はChange(チェンジ)と訴えました。環境、核兵器問題など軍事、経済政策全般を転換していきましょうと訴えました。「Change」とだけ聞くと耳障りは良いが、本当は「Change or Die」、変われなければ地球もアメリカもダメになりますよと言いたかったのではないでしょうか。しかし、まさか「Die」という刺激的な言葉は使えなかったのでしょう。本来「Change」には痛みも覚悟も伴うが、「Change or Die」と言えなかったため、「覚悟」を求めた事が十分に伝わらず、現在、約束が違うと反発を受けているように感じられます。

鳩山政権の「事業仕分け」は連日テレビ放映され、大変な関心を呼びました。予算がどう使われているのか、その一端が公開された意味は大きいと思われます。それぞれの事業にはそれなりの歴史的経過があり、それを十分理解して、「仕分け」をしていくことは大変だったと思います。

今後は事業そのものの可否と同時に事業が行われる際のコストの妥当性も俎上に乗せて欲しいと思います。国の行う事業については民間と比べてコストが高く、建築コストなどは民間より高いと言われています。そういう問題は従来のシステムでも会計検査院などは十分把握しているはずです、それが今までは十分に表に出てきませんでした。そうした経験と実績のある組織にさらに権限を与えていくと現実的に無駄の把握と改革が出来そうに思います。一歩一歩積み重ねた改革こそが根こそぎの改革に繫がって行くと思います。

ところで、地方にある公立病院は医師不足、経営の厳しさに喘いでいます。「事業仕分け」の対象になったら、どういうことになるのでしょうか。地域医療の中で、なくてはならない存在だと訴え、聞いてもらえるのでしょうか。

「費用対効果」の伝家の宝刀でばっさりやられたら、ひとたまりもないかもしれません。ただ、「地域医療」と「地域社会」を守る事は同じであると理解して欲しいものです。

平成21年12月10日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

指宿 菜の花通信(No.3)「指宿病院も医師不足」

指宿病院は平成14年、22名の常勤医師がいましたが、平成17年に14名になり、現在15名しかいません。それに伴い、6病棟(282床)あった病室を3病棟(143床)に縮小しています。指宿病院は指宿市、頴娃町、旧喜入町の一部など約6万人を診療圏にし、国立病院機構の病院でありながら、実態は指宿市立病院的役割を果たし、地域医療の中核を担っています。需要が減ったのではなく、医師不足のため縮小せざるを得なかったのです。

限られた医師数で、指宿地区消防組合の救急出動1700件のうち、500件を受け入れ、その他の救急患者も3843件受け入れています。お産件数は平成20年170件、今年は200件を超えそうな形勢です(ちなみに、指宿市の出生数352人)。小児科もこの地区で唯一の病棟を持ち、入院の必要な子供を受け入れています。それを、産婦人科、小児科共、ただ一人の常勤医で対応しています。

地域の医療は、そこで生活する人たちの基盤となるものです。例えば、若いお母さんはその地域で安心してお産が出来、小児科があれば、居住してくれます。我々はそこのところを十分理解しているつもりです。ただ、現在の指宿病院は医師の自己犠牲の上にギリギリのところで地域医療を支えており、現在の医師数では限界を超えていると言わざるを得ません。何とか医師が増えて欲しいというのが切実な願望です。

医師数が減ったのは平成16年に始まった新臨床研修制度が引き金になったことは否めません。平成21年度の鹿児島県の初期臨床研修医は54名、鹿児島大学の入局者(卒後3年目、後期研修医)は40名でした。平成16年以前は少なくとも100名を超えていました。約半分になっています。鹿児島県の医師のうち亡くなる方、廃業する方が45~50名です。

すると、やっと現状維持ということになり、地方の医師不足を解消するどころか、今後、ますます厳しくなると云わざるをえません。

鹿児島に若い医師を残す施策、医師の地域、診療科偏在、女医の働き易い環境の育成など課題は多く、真剣な議論と行動が望まれます。

平成21年12月01日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

当院について 院長あいさつ ロゴマークについて 新病棟のご紹介 病院の理念 病院概要 地域医療支援病院 鹿児島県がん診療指定病院 開放型病院 指宿医療センターヘリポート 臨床研修 地域医療研修センター 情報公開 個人情報ファイル管理簿 文書ファイル管理簿 「情報公開・個人情報保護総合案内所」に関する広報 法令違反に関する外部からの通報手続きについて 節電行動計画 バリアフリー情報 出前講座 絵画展示のご案内 イベントカレンダー DPCデータによる当院の病院指標 平成27年度 病院指標 平成28年度 病院指標 ボランティア募集 新病棟建設工事の進捗状況 医師募集
診療科紹介 消化器科 循環器科 総合診療内科 小児科 外科 泌尿器科 産婦人科 麻酔科 眼科
部門紹介 看護部 看護部の概要 教育体制 看護単位(病棟)の紹介 薬剤科 治験管理室 診療放射線科 研究検査科 栄養管理室 リハビリテーション科 医療安全管理室 地域医療連携室 ひなぎく病児保育室
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入院のご案内 初めて入院される方へ 病棟案内図
コラム 目の前で人が倒れたら? 子どもの病気について 月経困難症について 女性ホルモンと骨粗しょう症について これからママになるみなさんへ たばこの害について
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0993-22-2231 【FAX】0993-22-3149(ファックス) 【地域医療連携室FAX】0993-22-2772

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指宿 菜の花通信(No.4)「政権交替」

今年を象徴する出来事はなんと言っても「政権交代」でしょう。アメリカでは1月、オバマ大統領、わが国では9月、鳩山政権が誕生しました。単なる政権交代ではなく、今までの路線・政策の大きな転換を掲げた政権交代でした。

オバマ大統領はChange(チェンジ)と訴えました。環境、核兵器問題など軍事、経済政策全般を転換していきましょうと訴えました。「Change」とだけ聞くと耳障りは良いが、本当は「Change or Die」、変われなければ地球もアメリカもダメになりますよと言いたかったのではないでしょうか。しかし、まさか「Die」という刺激的な言葉は使えなかったのでしょう。本来「Change」には痛みも覚悟も伴うが、「Change or Die」と言えなかったため、「覚悟」を求めた事が十分に伝わらず、現在、約束が違うと反発を受けているように感じられます。

鳩山政権の「事業仕分け」は連日テレビ放映され、大変な関心を呼びました。予算がどう使われているのか、その一端が公開された意味は大きいと思われます。それぞれの事業にはそれなりの歴史的経過があり、それを十分理解して、「仕分け」をしていくことは大変だったと思います。

今後は事業そのものの可否と同時に事業が行われる際のコストの妥当性も俎上に乗せて欲しいと思います。国の行う事業については民間と比べてコストが高く、建築コストなどは民間より高いと言われています。そういう問題は従来のシステムでも会計検査院などは十分把握しているはずです、それが今までは十分に表に出てきませんでした。そうした経験と実績のある組織にさらに権限を与えていくと現実的に無駄の把握と改革が出来そうに思います。一歩一歩積み重ねた改革こそが根こそぎの改革に繫がって行くと思います。

ところで、地方にある公立病院は医師不足、経営の厳しさに喘いでいます。「事業仕分け」の対象になったら、どういうことになるのでしょうか。地域医療の中で、なくてはならない存在だと訴え、聞いてもらえるのでしょうか。

「費用対効果」の伝家の宝刀でばっさりやられたら、ひとたまりもないかもしれません。ただ、「地域医療」と「地域社会」を守る事は同じであると理解して欲しいものです。

平成21年12月10日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

指宿 菜の花通信(No.3)「指宿病院も医師不足」

指宿病院は平成14年、22名の常勤医師がいましたが、平成17年に14名になり、現在15名しかいません。それに伴い、6病棟(282床)あった病室を3病棟(143床)に縮小しています。指宿病院は指宿市、頴娃町、旧喜入町の一部など約6万人を診療圏にし、国立病院機構の病院でありながら、実態は指宿市立病院的役割を果たし、地域医療の中核を担っています。需要が減ったのではなく、医師不足のため縮小せざるを得なかったのです。

限られた医師数で、指宿地区消防組合の救急出動1700件のうち、500件を受け入れ、その他の救急患者も3843件受け入れています。お産件数は平成20年170件、今年は200件を超えそうな形勢です(ちなみに、指宿市の出生数352人)。小児科もこの地区で唯一の病棟を持ち、入院の必要な子供を受け入れています。それを、産婦人科、小児科共、ただ一人の常勤医で対応しています。

地域の医療は、そこで生活する人たちの基盤となるものです。例えば、若いお母さんはその地域で安心してお産が出来、小児科があれば、居住してくれます。我々はそこのところを十分理解しているつもりです。ただ、現在の指宿病院は医師の自己犠牲の上にギリギリのところで地域医療を支えており、現在の医師数では限界を超えていると言わざるを得ません。何とか医師が増えて欲しいというのが切実な願望です。

医師数が減ったのは平成16年に始まった新臨床研修制度が引き金になったことは否めません。平成21年度の鹿児島県の初期臨床研修医は54名、鹿児島大学の入局者(卒後3年目、後期研修医)は40名でした。平成16年以前は少なくとも100名を超えていました。約半分になっています。鹿児島県の医師のうち亡くなる方、廃業する方が45~50名です。

すると、やっと現状維持ということになり、地方の医師不足を解消するどころか、今後、ますます厳しくなると云わざるをえません。

鹿児島に若い医師を残す施策、医師の地域、診療科偏在、女医の働き易い環境の育成など課題は多く、真剣な議論と行動が望まれます。

平成21年12月01日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦