独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 10月 2010

指宿 菜の花通信(No.14)「アンチエイジング-ウィズエイジング」

昨今、アンチエイジングとかウィズエイジングという言葉をよく耳にするようになった。所詮、人も動物の一種、年を取ること、老化を避けられるわけではない。私にはアンチエイジングと老化に抗するより、共存するウィズエイジング(鳥羽研二、杏林大医教授)の考え方が良いように思える。

我々の体を構成する真核細胞は20億年前、原核細胞から進化した。その時、酸素を取り込み、ミトコンドリアでエネルギー源ATPを産生するシステムを構築した。これにより効率的にエネルギーを得ることが可能になり、その後の生物進化の基盤となった。と同時に、酸素を利用するシステムは当然そこに活性酸素を発生させることになった、この活性酸素は現在動脈硬化進展の主要因子の一つと考えられている。従って、我々の体は、構成する細胞がミトコンドリアで効率的にエネルギー源ATPを産生するシステムを作った見返りに(?)活性酸素を受け入れなければならなかったとも言える。人の体の作られ方は日々生きる事が老化への道を歩んでいるとも言える。

老化に抗する様々の健康食品、薬(?)が巷にあふれている。お金で健康、若さを買えるわけでもないのに、テレビ、新聞などの広告でそんな幻想をふりまかれている。例えば、「不足した」コラーゲンを補う健康食品の広告があふれている。

コラーゲンは蛋白質である。蛋白質は人の体ではそのまま吸収される事はあり得ない。蛋白質はアミノ酸に分解されてはじめて体の中に入っていく。蛋白質がそのまま体の中に入ると、異物と認識されてたちまち抗原・抗体反応が起こり、大変な「病気」になってしまう。コラーゲンは分解されてアミノ酸として吸収されるが、そのアミノ酸は体の中で再びコラーゲンになるわけではなく、その他のいかなる蛋白質の構成要素になりうる。コラーゲンを食べたから、体の中にコラーゲンが増えるわけでない。そんな事は現代科学の常識である(1937年 ルドルフ・シェーハイマー)。従って、それによって体調が良くなったというのは奇妙な「個人の感想」でしかない。

それでは老化の進展を遅らせることは出来ないのか。細胞が元気で、ミトコンドリアの数、機能が保たれる事が肝心である。年をとってくるとミトコンドリアが減少し(高齢者では半分近くになる)、機能も低下してくる。それを維持するには、最近の研究でも過食を戒め、運動をするということが最も有効である事が明らかになってきている。

元気で長生きをするには特効薬はなく、過食を戒め、運動をするしかないようだ。

平成22年10月29日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

当院について 院長あいさつ ロゴマークについて 新病棟のご紹介 病院の理念 病院概要 地域医療支援病院 鹿児島県がん診療指定病院 開放型病院 指宿医療センターヘリポート 臨床研修 地域医療研修センター 情報公開 個人情報ファイル管理簿 文書ファイル管理簿 「情報公開・個人情報保護総合案内所」に関する広報 法令違反に関する外部からの通報手続きについて 節電行動計画 バリアフリー情報 出前講座 絵画展示のご案内 イベントカレンダー DPCデータによる当院の病院指標 平成27年度 病院指標 平成28年度 病院指標 ボランティア募集 新病棟建設工事の進捗状況 医師募集
診療科紹介 消化器科 循環器科 総合診療内科 小児科 外科 泌尿器科 産婦人科 麻酔科 眼科
部門紹介 看護部 看護部の概要 教育体制 看護単位(病棟)の紹介 薬剤科 治験管理室 診療放射線科 研究検査科 栄養管理室 リハビリテーション科 医療安全管理室 地域医療連携室 ひなぎく病児保育室
外来のご案内 外来を受診される方へ 外来案内図 今月の外来担当医師 文書料および予防接種料 セカンドオピニオン 人間ドック 専門外来担当医師・診療時間 物忘れ外来 母乳外来 遺伝カウンセリング外来
入院のご案内 初めて入院される方へ 病棟案内図
コラム 目の前で人が倒れたら? 子どもの病気について 月経困難症について 女性ホルモンと骨粗しょう症について これからママになるみなさんへ たばこの害について
お知らせ アクセス お問い合わせ 採用情報 プライバシーポリシー サイトマップ
独立行政法人国立病院機構指宿医療センター
891-0498 鹿児島県指宿市十二町4145
【電話】
0993-22-2231 【FAX】0993-22-3149(ファックス) 【地域医療連携室FAX】0993-22-2772

Back to top

Copyright © 2013 National Hospital Organization Ibusuki Medical Center All Rights Reserved.

指宿 菜の花通信(No.14)「アンチエイジング-ウィズエイジング」

昨今、アンチエイジングとかウィズエイジングという言葉をよく耳にするようになった。所詮、人も動物の一種、年を取ること、老化を避けられるわけではない。私にはアンチエイジングと老化に抗するより、共存するウィズエイジング(鳥羽研二、杏林大医教授)の考え方が良いように思える。

我々の体を構成する真核細胞は20億年前、原核細胞から進化した。その時、酸素を取り込み、ミトコンドリアでエネルギー源ATPを産生するシステムを構築した。これにより効率的にエネルギーを得ることが可能になり、その後の生物進化の基盤となった。と同時に、酸素を利用するシステムは当然そこに活性酸素を発生させることになった、この活性酸素は現在動脈硬化進展の主要因子の一つと考えられている。従って、我々の体は、構成する細胞がミトコンドリアで効率的にエネルギー源ATPを産生するシステムを作った見返りに(?)活性酸素を受け入れなければならなかったとも言える。人の体の作られ方は日々生きる事が老化への道を歩んでいるとも言える。

老化に抗する様々の健康食品、薬(?)が巷にあふれている。お金で健康、若さを買えるわけでもないのに、テレビ、新聞などの広告でそんな幻想をふりまかれている。例えば、「不足した」コラーゲンを補う健康食品の広告があふれている。

コラーゲンは蛋白質である。蛋白質は人の体ではそのまま吸収される事はあり得ない。蛋白質はアミノ酸に分解されてはじめて体の中に入っていく。蛋白質がそのまま体の中に入ると、異物と認識されてたちまち抗原・抗体反応が起こり、大変な「病気」になってしまう。コラーゲンは分解されてアミノ酸として吸収されるが、そのアミノ酸は体の中で再びコラーゲンになるわけではなく、その他のいかなる蛋白質の構成要素になりうる。コラーゲンを食べたから、体の中にコラーゲンが増えるわけでない。そんな事は現代科学の常識である(1937年 ルドルフ・シェーハイマー)。従って、それによって体調が良くなったというのは奇妙な「個人の感想」でしかない。

それでは老化の進展を遅らせることは出来ないのか。細胞が元気で、ミトコンドリアの数、機能が保たれる事が肝心である。年をとってくるとミトコンドリアが減少し(高齢者では半分近くになる)、機能も低下してくる。それを維持するには、最近の研究でも過食を戒め、運動をするということが最も有効である事が明らかになってきている。

元気で長生きをするには特効薬はなく、過食を戒め、運動をするしかないようだ。

平成22年10月29日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦