独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 5月 2011

指宿 菜の花通信(No.19)「たまて箱」

この3月よりJR指宿線に「たまて箱」という特急列車が走りだした。九州新幹線の全面開通に対応し、指宿への利便性を高めようということらしい。2両、60席全指定席で、指宿まで約一時間、桜島と錦江湾を眺めながらの旅である。座席も工夫され、海の見える方向に向いている。列車内もきれいで、観光客に人気が高い。時間前に駅に行っても、予約なしには乗れないことが多い。平均の乗車率は80%以上との事だ。

タクシーの運転手さんによると、連休明けは例年お客が少なくなるのに、減っていないという。ホテルの従業員も忙しくて、休みが取れずぼやいているという。駅前も列車が到着すると、多くの観光客が下りてくる、ホテルのお迎えとかあり、華やいだ感じだ。JR指宿駅の売り上げは40%増加したという。観光客も増えているようだし、メデタシ、メデタシである。

一方で、「たまて箱」は料金が高くなっている。従来の料金に特急料、指定席料が加算されるので2倍以上になっている。列車の運行数は変化なく、「たまて箱」が3本出来たので、一般利用者にとっては利用出来る列車が実質減ったことになる。指宿線は沿線にいくつかの学校があり、通勤・通学の利用者が多い。生活者の視点からすると、実質不便になったと云わざるをえない。生活者に配慮し、「たまて箱」を3両にして、1両は自由席にすることは出来なかったのであろうか。

JRはこの「たまて箱」の運行に関して、重要な顧客である「生活者」の意見を聞いたのだろうか。JR指宿線は対抗するのは私鉄バスのみである、これは鹿児島まで約2時間かかるので、利用客は少ない。この路線に関して言えばJRは独占事業である。事業を独占しているがゆえに、利用者の意見に耳を傾ける姿勢が大事であったように思うが・・・・・。

医療は公共性の高い事業である。公的病院は不必要で、私的病院を中心にして「競争原理」でやった方が良いとの意見もある。一見もっともらしい意見である。

しかし、医療には患者さんの多い分野、少ない分野などがある。効率性のみを追求したら、採算性の悪い分野は切り捨てられることになる。経済的効率のみで「同じ命」を差別化することは出来ない。特に、人口の少ない地方においての医療は採算性の悪い分野もやらなければならない。公共性の高い事業に関与する場合は顧客の「声なき声」に耳を澄まさなければならない。今回の東北大震災対応においても自分達と株主のみを優先する態度が見え隠れするのは残念である。

平成23年5月25日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

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指宿 菜の花通信(No.19)「たまて箱」

この3月よりJR指宿線に「たまて箱」という特急列車が走りだした。九州新幹線の全面開通に対応し、指宿への利便性を高めようということらしい。2両、60席全指定席で、指宿まで約一時間、桜島と錦江湾を眺めながらの旅である。座席も工夫され、海の見える方向に向いている。列車内もきれいで、観光客に人気が高い。時間前に駅に行っても、予約なしには乗れないことが多い。平均の乗車率は80%以上との事だ。

タクシーの運転手さんによると、連休明けは例年お客が少なくなるのに、減っていないという。ホテルの従業員も忙しくて、休みが取れずぼやいているという。駅前も列車が到着すると、多くの観光客が下りてくる、ホテルのお迎えとかあり、華やいだ感じだ。JR指宿駅の売り上げは40%増加したという。観光客も増えているようだし、メデタシ、メデタシである。

一方で、「たまて箱」は料金が高くなっている。従来の料金に特急料、指定席料が加算されるので2倍以上になっている。列車の運行数は変化なく、「たまて箱」が3本出来たので、一般利用者にとっては利用出来る列車が実質減ったことになる。指宿線は沿線にいくつかの学校があり、通勤・通学の利用者が多い。生活者の視点からすると、実質不便になったと云わざるをえない。生活者に配慮し、「たまて箱」を3両にして、1両は自由席にすることは出来なかったのであろうか。

JRはこの「たまて箱」の運行に関して、重要な顧客である「生活者」の意見を聞いたのだろうか。JR指宿線は対抗するのは私鉄バスのみである、これは鹿児島まで約2時間かかるので、利用客は少ない。この路線に関して言えばJRは独占事業である。事業を独占しているがゆえに、利用者の意見に耳を傾ける姿勢が大事であったように思うが・・・・・。

医療は公共性の高い事業である。公的病院は不必要で、私的病院を中心にして「競争原理」でやった方が良いとの意見もある。一見もっともらしい意見である。

しかし、医療には患者さんの多い分野、少ない分野などがある。効率性のみを追求したら、採算性の悪い分野は切り捨てられることになる。経済的効率のみで「同じ命」を差別化することは出来ない。特に、人口の少ない地方においての医療は採算性の悪い分野もやらなければならない。公共性の高い事業に関与する場合は顧客の「声なき声」に耳を澄まさなければならない。今回の東北大震災対応においても自分達と株主のみを優先する態度が見え隠れするのは残念である。

平成23年5月25日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦