独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 2月 2012

指宿 菜の花通信(No.29)「田舎医者の流儀(4)・・・はいわかりました。どうぞ」

年末、知人から「義理の母が自宅で倒れ、体が動かない、意識がもうろうとしている、救急隊に連絡し、市内の某病院に運びたい。申し訳ないが、その病院に受け入れてもらうようにお願いしてもらえないか」と電話が入った。その病院にすぐ電話した。事務日直のお嬢さんが「どんな具合なのですか、症状を詳しく教えて下さい」。こちらは実際に患者さんを見ていないので、十分答えられない。仕方がないので「当直の医師と変って下さい」とお願いした。大分渋っていたがしぶとく粘ってやっと電話を回してもらった。

当直の医師は外科の医師だという。やはり、しつこく病状を聞き、ベッドが空いているか解らないと云う。少々頭にきて「脳卒中らしい症状ですよ、受け入れて下さいよ」と強引に頼み込み、なんとか受け入れてもらえた。大体、年末でベッドは空いているはずだし、かねがねこの病院は急患を何時でも受け入れますと宣言している病院だ。それが受付も、当直医も「はいわかりました。どうぞ。」という体制にない。

指宿の医療提供体制は、地方の医師不足を反映し、厳しい状況にある。それでも、指宿の救急医療体制はそれなりに問題なく機能している。指宿医師会は「救急患者」を放り投げないという原則で、可能な限り対応する体制を作っている。更に、住民懇談会を開き、コンビニ受診を控えることや、小児科の患者さんであっても全てを小児科医で対応出来ない事などを理解して頂く活動もしている。地域の中核病院である当院は医師会の先生方から依頼があったら「はいわかりました、どうぞ」と受け入れる事を原則としている。

ある地方の医師が救急機能を持つ病院に受け入れを依頼した。「解離性大動脈瘤みたいですが」「造影CTはしてありますか」「いいえ、していません」「それをしてから又連絡してください」と云われた。夜中であったが、レントゲン技師を呼び出し、造影CTをしてやっと受け入れてもらえたという。その医師は「二度とそういう病院には頼みたくないけど、この疾患を受け入れる所は限られているので困ったものだ」と話していた。それに類する話は多い。「心筋梗塞みたいですがお願いします」「どの部位の心筋梗塞ですか。前壁ですか、後壁ですか。CPKはいくらですか」等々、急患で十分な検査を出来ず、依頼するとき大変気を使うという。

医師が診て「なになにみたいですが」と言ったら「はいわかりました。どうぞ」と云えば良い。「いろいろ準備があるから」と言うが、急患を受け入れる以上はそれ位対応できるシステムを作って欲しいものだ。

平成24年2月7日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

当院について 院長あいさつ ロゴマークについて 新病棟のご紹介 病院の理念 病院概要 地域医療支援病院 鹿児島県がん診療指定病院 開放型病院 指宿医療センターヘリポート 臨床研修 地域医療研修センター 情報公開 個人情報ファイル管理簿 文書ファイル管理簿 「情報公開・個人情報保護総合案内所」に関する広報 法令違反に関する外部からの通報手続きについて 節電行動計画 バリアフリー情報 出前講座 絵画展示のご案内 イベントカレンダー DPCデータによる当院の病院指標 平成27年度 病院指標 平成28年度 病院指標 ボランティア募集 新病棟建設工事の進捗状況 医師募集
診療科紹介 消化器科 循環器科 総合診療内科 小児科 外科 泌尿器科 産婦人科 麻酔科 眼科
部門紹介 看護部 看護部の概要 教育体制 看護単位(病棟)の紹介 薬剤科 治験管理室 診療放射線科 研究検査科 栄養管理室 リハビリテーション科 医療安全管理室 地域医療連携室 ひなぎく病児保育室
外来のご案内 外来を受診される方へ 外来案内図 今月の外来担当医師 文書料および予防接種料 セカンドオピニオン 人間ドック 専門外来担当医師・診療時間 物忘れ外来 母乳外来 遺伝カウンセリング外来
入院のご案内 初めて入院される方へ 病棟案内図
コラム 目の前で人が倒れたら? 子どもの病気について 月経困難症について 女性ホルモンと骨粗しょう症について これからママになるみなさんへ たばこの害について
お知らせ アクセス お問い合わせ 採用情報 プライバシーポリシー サイトマップ
独立行政法人国立病院機構指宿医療センター
891-0498 鹿児島県指宿市十二町4145
【電話】
0993-22-2231 【FAX】0993-22-3149(ファックス) 【地域医療連携室FAX】0993-22-2772

Back to top

Copyright © 2013 National Hospital Organization Ibusuki Medical Center All Rights Reserved.

指宿 菜の花通信(No.29)「田舎医者の流儀(4)・・・はいわかりました。どうぞ」

年末、知人から「義理の母が自宅で倒れ、体が動かない、意識がもうろうとしている、救急隊に連絡し、市内の某病院に運びたい。申し訳ないが、その病院に受け入れてもらうようにお願いしてもらえないか」と電話が入った。その病院にすぐ電話した。事務日直のお嬢さんが「どんな具合なのですか、症状を詳しく教えて下さい」。こちらは実際に患者さんを見ていないので、十分答えられない。仕方がないので「当直の医師と変って下さい」とお願いした。大分渋っていたがしぶとく粘ってやっと電話を回してもらった。

当直の医師は外科の医師だという。やはり、しつこく病状を聞き、ベッドが空いているか解らないと云う。少々頭にきて「脳卒中らしい症状ですよ、受け入れて下さいよ」と強引に頼み込み、なんとか受け入れてもらえた。大体、年末でベッドは空いているはずだし、かねがねこの病院は急患を何時でも受け入れますと宣言している病院だ。それが受付も、当直医も「はいわかりました。どうぞ。」という体制にない。

指宿の医療提供体制は、地方の医師不足を反映し、厳しい状況にある。それでも、指宿の救急医療体制はそれなりに問題なく機能している。指宿医師会は「救急患者」を放り投げないという原則で、可能な限り対応する体制を作っている。更に、住民懇談会を開き、コンビニ受診を控えることや、小児科の患者さんであっても全てを小児科医で対応出来ない事などを理解して頂く活動もしている。地域の中核病院である当院は医師会の先生方から依頼があったら「はいわかりました、どうぞ」と受け入れる事を原則としている。

ある地方の医師が救急機能を持つ病院に受け入れを依頼した。「解離性大動脈瘤みたいですが」「造影CTはしてありますか」「いいえ、していません」「それをしてから又連絡してください」と云われた。夜中であったが、レントゲン技師を呼び出し、造影CTをしてやっと受け入れてもらえたという。その医師は「二度とそういう病院には頼みたくないけど、この疾患を受け入れる所は限られているので困ったものだ」と話していた。それに類する話は多い。「心筋梗塞みたいですがお願いします」「どの部位の心筋梗塞ですか。前壁ですか、後壁ですか。CPKはいくらですか」等々、急患で十分な検査を出来ず、依頼するとき大変気を使うという。

医師が診て「なになにみたいですが」と言ったら「はいわかりました。どうぞ」と云えば良い。「いろいろ準備があるから」と言うが、急患を受け入れる以上はそれ位対応できるシステムを作って欲しいものだ。

平成24年2月7日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦