独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 7月 2012

指宿 菜の花通信(No.35)「田舎医者の流儀(10)・・・節電」

数年前ある料理屋さんのトイレに入ったら、音楽が流れ、トイレの蓋が自動的に開いた。用を足すと自動的に水が出て、流してくれた。こちらは何もしなくて良い、そこまで「進化」したかと感心すると同時に、そこまで必要なのかと思った。ウォシュレット型のトイレは気持ち良いし、冬の寒いとき便座が暖まっているのはありがたい。こうした機能の進化は文句なしに嬉しい。しかし、自動的に蓋が開たり、流す事まで必要なのだろうか。体の不自由な方等であるいは必要かもしれないが、限定的な物ではなかろうか。

しかし、驚いている間にこのトイレは普及しているようだ。そのせいかどうか解らないが、最近、公衆的なトイレで流し忘れ状態の便器を目にするようになった。「進化」したトイレを日常使用している人にとっては、「流す」事は頭の中にないのかもしれない。

前任の病院で、平成16年か17年だったと思うが、病院の改築をしていて、医局の近くのトイレが旧式のままの計画であった。この時代にウォシュレット型でないとは何事だと医局から猛反発を受けた。初期研修医が病院を選ぶ時代になって、病院見学に来た医学生が旧式のトイレでは研修先として選んでもらえない可能性があるなどの議論があった。そんなものかと思いながら聞いていたが、結局、ウォシュレット型のトイレにすることになった。だがその後、この病院の初期臨床研修医はそれほど増えていない、そこが問題の要ではなかったようだ。

私が育った昭和20~30年代は、電気を使うのは電灯とラジオぐらいであった。不必要な電灯は消すように教育を受けた。今でも、うちの家人が付けっぱなしにしている明かりを次々に消して歩く、「そこはまだ使っているのだから、消さないでよ」とお叱りを受けることも多い。昭和40年頃、学生時代アパートに住んでいて夏暑くてたまらず、母親におねだりして、小さな扇風機を買った。それぐらいでも大変嬉しかった。その後、冷蔵庫、洗濯機、冷房など電化がどんどん進んできた。今の時代コンピュター抜きには全ての作業が進まなくなってきている。台風などで停電になると日常の生活が立ちいかなくなる。それはそれで我々は科学技術の進歩を享受している。

我々の現代生活は電気というエネルギーに支えられている。水力、火力、原子力と電気を作る道具を次々に開発し、エネルギーは無限に手に入るかの如き幻想の中で暮らしてきた。しかし、火力発電の持つCO₂問題、原子力の持つ最終処理が出来ていない事など残念ながら解決の困難な問題に直面している。十分に制御出来ない原子力は将来使うべきでなかろうと思う。と同時に無制限にエネルギーを使う生活様式を改めるべきと思う。過度に快適、便利な生活は見直さなければならないのではなかろうか。

平成24年7月24日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

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指宿 菜の花通信(No.35)「田舎医者の流儀(10)・・・節電」

数年前ある料理屋さんのトイレに入ったら、音楽が流れ、トイレの蓋が自動的に開いた。用を足すと自動的に水が出て、流してくれた。こちらは何もしなくて良い、そこまで「進化」したかと感心すると同時に、そこまで必要なのかと思った。ウォシュレット型のトイレは気持ち良いし、冬の寒いとき便座が暖まっているのはありがたい。こうした機能の進化は文句なしに嬉しい。しかし、自動的に蓋が開たり、流す事まで必要なのだろうか。体の不自由な方等であるいは必要かもしれないが、限定的な物ではなかろうか。

しかし、驚いている間にこのトイレは普及しているようだ。そのせいかどうか解らないが、最近、公衆的なトイレで流し忘れ状態の便器を目にするようになった。「進化」したトイレを日常使用している人にとっては、「流す」事は頭の中にないのかもしれない。

前任の病院で、平成16年か17年だったと思うが、病院の改築をしていて、医局の近くのトイレが旧式のままの計画であった。この時代にウォシュレット型でないとは何事だと医局から猛反発を受けた。初期研修医が病院を選ぶ時代になって、病院見学に来た医学生が旧式のトイレでは研修先として選んでもらえない可能性があるなどの議論があった。そんなものかと思いながら聞いていたが、結局、ウォシュレット型のトイレにすることになった。だがその後、この病院の初期臨床研修医はそれほど増えていない、そこが問題の要ではなかったようだ。

私が育った昭和20~30年代は、電気を使うのは電灯とラジオぐらいであった。不必要な電灯は消すように教育を受けた。今でも、うちの家人が付けっぱなしにしている明かりを次々に消して歩く、「そこはまだ使っているのだから、消さないでよ」とお叱りを受けることも多い。昭和40年頃、学生時代アパートに住んでいて夏暑くてたまらず、母親におねだりして、小さな扇風機を買った。それぐらいでも大変嬉しかった。その後、冷蔵庫、洗濯機、冷房など電化がどんどん進んできた。今の時代コンピュター抜きには全ての作業が進まなくなってきている。台風などで停電になると日常の生活が立ちいかなくなる。それはそれで我々は科学技術の進歩を享受している。

我々の現代生活は電気というエネルギーに支えられている。水力、火力、原子力と電気を作る道具を次々に開発し、エネルギーは無限に手に入るかの如き幻想の中で暮らしてきた。しかし、火力発電の持つCO₂問題、原子力の持つ最終処理が出来ていない事など残念ながら解決の困難な問題に直面している。十分に制御出来ない原子力は将来使うべきでなかろうと思う。と同時に無制限にエネルギーを使う生活様式を改めるべきと思う。過度に快適、便利な生活は見直さなければならないのではなかろうか。

平成24年7月24日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦