独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 8月 2012

指宿 菜の花通信(No.36)「田舎医者の流儀(11)・・・オリンピック」

ロンドンオリンピックが終わった。混沌とした世界情勢の中でテロの発生等が心配されたが無事に終って良かった。日本は史上最高38個のメダルを獲得した。それにしても100m、200m連覇のボルトの身体能力はすごい、遺伝子が違う感じだ。日本は、個人戦では結果を残せなかった競技において、チーム力で多くのメダルを獲得した。組織的に戦う時の日本人の能力の高さを示した。

マラソン日本代表藤原新選手がミトコンドリアを増やす方向で練習をしていると話していた。細胞レベルでトレーニング理論が構築されている事にびっくりした。藤原選手によると、練習の中でスピード練習(インターバル練習)を取り入れる事により、ミトコンドリアを増やす事が出来ると言っている。ミトコンドリアが増えたか否かは、筋肉を生検して、証明する以外にない。検証は難しいが、藤原理論は現代生物学の理論からすると納得できるし、間違っていないように思う。

今回、藤原選手の成績が振るわなかったので、「ビッグマウスが何を言うか」とお決まりのバッシングが始まっている。成績・結果が良ければすぐちやほやし、結果が出なければ、たちまち悪口雑言、何とも情けない反応だ。アフリカの一流マラソン選手は速筋のミトコンドリア量が多いとの報告もあるようだ。それを意識した藤原選手の練習・取り組みに期待をしたい。理論は間違っていない、結果を出して批判に答えて欲しいと思う。

ミトコンドリアは我々を構成する細胞の中にある小器官で、ATPという体が動くエネルギー源を作っている。車はガソリンを燃やしてエネルギーに変えて動くが、我々の体はミトコンドリアで作ったATPをエネルギー源としている。ミトコンドリアが障害されると細胞が働くために必要なエネルギーが得られなくなる。そのため病気全般に対する抵抗力が低下、基礎体力、治癒力も低下すると考えられている。

最近の健康論ではミトコンドリアの数と良質のものを増やしていく事が大事と考えられている。ATPを作るには酸素の存在が必須であるが、ミトコンドリアの機能が低下していると、ATPを作る過程で過酸化酸素が多く発生する。それは細胞を劣化させ、動脈硬化を促進する方向に働く。体の中のミトコンドリアは70%筋肉の中にいる。ちょいきつめの運動により高効率ミトコンドリアが増え、減食もミトコンドリアを増やす方向に働く事が判ってきている。

今週からロンドンパラリンピックが始まる。楽しみにしている。

平成24年8月28日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

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指宿 菜の花通信(No.36)「田舎医者の流儀(11)・・・オリンピック」

ロンドンオリンピックが終わった。混沌とした世界情勢の中でテロの発生等が心配されたが無事に終って良かった。日本は史上最高38個のメダルを獲得した。それにしても100m、200m連覇のボルトの身体能力はすごい、遺伝子が違う感じだ。日本は、個人戦では結果を残せなかった競技において、チーム力で多くのメダルを獲得した。組織的に戦う時の日本人の能力の高さを示した。

マラソン日本代表藤原新選手がミトコンドリアを増やす方向で練習をしていると話していた。細胞レベルでトレーニング理論が構築されている事にびっくりした。藤原選手によると、練習の中でスピード練習(インターバル練習)を取り入れる事により、ミトコンドリアを増やす事が出来ると言っている。ミトコンドリアが増えたか否かは、筋肉を生検して、証明する以外にない。検証は難しいが、藤原理論は現代生物学の理論からすると納得できるし、間違っていないように思う。

今回、藤原選手の成績が振るわなかったので、「ビッグマウスが何を言うか」とお決まりのバッシングが始まっている。成績・結果が良ければすぐちやほやし、結果が出なければ、たちまち悪口雑言、何とも情けない反応だ。アフリカの一流マラソン選手は速筋のミトコンドリア量が多いとの報告もあるようだ。それを意識した藤原選手の練習・取り組みに期待をしたい。理論は間違っていない、結果を出して批判に答えて欲しいと思う。

ミトコンドリアは我々を構成する細胞の中にある小器官で、ATPという体が動くエネルギー源を作っている。車はガソリンを燃やしてエネルギーに変えて動くが、我々の体はミトコンドリアで作ったATPをエネルギー源としている。ミトコンドリアが障害されると細胞が働くために必要なエネルギーが得られなくなる。そのため病気全般に対する抵抗力が低下、基礎体力、治癒力も低下すると考えられている。

最近の健康論ではミトコンドリアの数と良質のものを増やしていく事が大事と考えられている。ATPを作るには酸素の存在が必須であるが、ミトコンドリアの機能が低下していると、ATPを作る過程で過酸化酸素が多く発生する。それは細胞を劣化させ、動脈硬化を促進する方向に働く。体の中のミトコンドリアは70%筋肉の中にいる。ちょいきつめの運動により高効率ミトコンドリアが増え、減食もミトコンドリアを増やす方向に働く事が判ってきている。

今週からロンドンパラリンピックが始まる。楽しみにしている。

平成24年8月28日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦