独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 3月 2014

指宿 菜の花通信(No.52)「田舎医者の流儀(27)・・・縦・横(その3)」

私が赴任した当時の(H4年)国立病院は、各診療科は独立しており、それぞれの専門科が独自の診療を行い、横の連携は乏しい状況にあった。他科の診療が必要な時は、紹介状で患者さんを受診させ、その返事を見て判断、お互いが顔を見て議論をする事は殆どなかった。唯一、複数の診療科(循環器内科、小児科、心臓血管外科、麻酔科)で議論をしていたのは、心臓病手術の可否を決める「心臓病カンファランス」のみであった。

私を含め各診療科が「タコ壺」の中に入り、他からの批判・議論は受け付けない雰囲気があった。医師のみでなく、看護部、薬剤部、事務部等々病院を構成する各部門が独自に「タコ壺」を掘って、その中で暮らし、他からの批判に対しては、自己防衛的に反応していた。日本の社会はそれぞれの組織のタテ系列を大事にしてきた歴史がある(タテ社会の人間関係・・・中根千枝著より)。その思考方式に色濃く染まった私たちは病院の中でも、ヨコの連携より、タテ構造を大事にしていた。

ヘンリー・フォード(フォード自動車会社の創立者)は1908年T型フォードを世に送り、爆発的ヒットなり、世界のクルマ販売台数の半分近くを占めたという。彼はとにかくいいクルマが作りたかった。いいクルマを作ればみんなが買ってくれるはずだと思っていた。クルマのスタイルや色などには関心を持たず、輸送手段として優れていればいいと考えていた。

しかし、1927年、フォード社はGMに販売台数一位の座を譲る事になる。そのGMを率いたのがウイルアム・デュラン、彼は技術者が作りたいクルマを作るのではなく、消費者が欲しいクルマを作るのだとして、組織の中に「美術と色彩部門」をおいた。クルマを見かけで売る時代の幕開けになった(成長から成熟へ・・・天野祐吉著より)。

患者さんが病院に期待するのは、「病気」を治して欲しいということだろう。最初は「専門の、良いお医者さんが居るらしいよ」と受診、外来受診すると、受付、看護師の対応、医師の診察態度、説明など、更に入院したら、食事、お部屋の状態など多くの事態に遭遇する。そのトータルが病院の評価、患者さんの満足度になってくる。

私の医者になった時代、技術・知識を得ることが中心で、患者さんの多面的な要求に答えなければという意識はなかった。フォードさんみたいに、高い技術を提供できれば、それで十分と考えていた。医療事故への対応の中で、患者さんの病院への期待は多面的である事が解るようになり、タコ壺から出て、横の連携を取らざるをえなくなっていった。

平成26年3月12日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

地域医療学講座の開設について

平成26年3月3日(月)、指宿市役所にて「地域医療学講座」の開設式が行われ、九州大学、指宿市、南九州市、当院の関係者が出席しました。 260303_sanka06 「地域医療学講座」は、九州大学に指宿市が寄附講座を開設し、その代わりに平成26年4月から3年間、九州大学から産婦人科医師1人を当院に派遣するというものです。そして、南九州市は、指宿市が負担する寄附金の一部を負担していただくことになっています。   これにより、4月から当院の産婦人科医師が2人になると共に、別に予定している小児科医師1人を増員することで、地域の成育医療を守り、指宿市・南九州市の若い人が安心して子供を産み、育てる環境を作る一助となればと考えています。  
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0993-22-2231 【FAX】0993-22-3149(ファックス) 【地域医療連携室FAX】0993-22-2772

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指宿 菜の花通信(No.52)「田舎医者の流儀(27)・・・縦・横(その3)」

私が赴任した当時の(H4年)国立病院は、各診療科は独立しており、それぞれの専門科が独自の診療を行い、横の連携は乏しい状況にあった。他科の診療が必要な時は、紹介状で患者さんを受診させ、その返事を見て判断、お互いが顔を見て議論をする事は殆どなかった。唯一、複数の診療科(循環器内科、小児科、心臓血管外科、麻酔科)で議論をしていたのは、心臓病手術の可否を決める「心臓病カンファランス」のみであった。

私を含め各診療科が「タコ壺」の中に入り、他からの批判・議論は受け付けない雰囲気があった。医師のみでなく、看護部、薬剤部、事務部等々病院を構成する各部門が独自に「タコ壺」を掘って、その中で暮らし、他からの批判に対しては、自己防衛的に反応していた。日本の社会はそれぞれの組織のタテ系列を大事にしてきた歴史がある(タテ社会の人間関係・・・中根千枝著より)。その思考方式に色濃く染まった私たちは病院の中でも、ヨコの連携より、タテ構造を大事にしていた。

ヘンリー・フォード(フォード自動車会社の創立者)は1908年T型フォードを世に送り、爆発的ヒットなり、世界のクルマ販売台数の半分近くを占めたという。彼はとにかくいいクルマが作りたかった。いいクルマを作ればみんなが買ってくれるはずだと思っていた。クルマのスタイルや色などには関心を持たず、輸送手段として優れていればいいと考えていた。

しかし、1927年、フォード社はGMに販売台数一位の座を譲る事になる。そのGMを率いたのがウイルアム・デュラン、彼は技術者が作りたいクルマを作るのではなく、消費者が欲しいクルマを作るのだとして、組織の中に「美術と色彩部門」をおいた。クルマを見かけで売る時代の幕開けになった(成長から成熟へ・・・天野祐吉著より)。

患者さんが病院に期待するのは、「病気」を治して欲しいということだろう。最初は「専門の、良いお医者さんが居るらしいよ」と受診、外来受診すると、受付、看護師の対応、医師の診察態度、説明など、更に入院したら、食事、お部屋の状態など多くの事態に遭遇する。そのトータルが病院の評価、患者さんの満足度になってくる。

私の医者になった時代、技術・知識を得ることが中心で、患者さんの多面的な要求に答えなければという意識はなかった。フォードさんみたいに、高い技術を提供できれば、それで十分と考えていた。医療事故への対応の中で、患者さんの病院への期待は多面的である事が解るようになり、タコ壺から出て、横の連携を取らざるをえなくなっていった。

平成26年3月12日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

地域医療学講座の開設について

平成26年3月3日(月)、指宿市役所にて「地域医療学講座」の開設式が行われ、九州大学、指宿市、南九州市、当院の関係者が出席しました。 260303_sanka06 「地域医療学講座」は、九州大学に指宿市が寄附講座を開設し、その代わりに平成26年4月から3年間、九州大学から産婦人科医師1人を当院に派遣するというものです。そして、南九州市は、指宿市が負担する寄附金の一部を負担していただくことになっています。   これにより、4月から当院の産婦人科医師が2人になると共に、別に予定している小児科医師1人を増員することで、地域の成育医療を守り、指宿市・南九州市の若い人が安心して子供を産み、育てる環境を作る一助となればと考えています。