独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 11月 2014

指宿 菜の花通信(No.62)「田舎医者の流儀(37)・・・フェアトレード」

フェアトレード(公平貿易)は、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動。主な品目としてコーヒー、バナナ、カカオのような食品、手工芸品、衣服がある。需要や市場価格の変動によって生産者が不当に安い価格で買い叩かれ、あるいは恒常的な低賃金労働者が発生することを防ぎまた児童労働や貧困による乱開発という形での環境破壊を防ぐことを目的としている。(ウィキペディアより引用)

フェアトレードの「考え方」は、発展途上国のみでなく、高度に発達した資本主義国である日本などいわゆる先進国でも必要なように思う。現に、肌着を買いに行くと信じられないような安い価格で手に入る。消費者の立場では安くて、良質のものが得られればありがたい、会社は商品が多く売れると儲かる事になる。しかし、表面だけ見て、単純に喜んでいて良いのだろうか。生産者は潤っているのか、会社の中でも経営者は儲かっているが、そこの労働者はまともな賃金、雇用形態になっているのか、余計な事を心配してしまう。

新聞に残業時間が100時間超え、休日の殆どない労働者が過労死になり、裁判になる事例がたびたび報道される。社長さんは高い収入を得て、豪邸に住み、現場の労働者は過重労働で過労死に追い込まれる。人間の叡智が資本主義というシステムを作りあげ、そこに民主主義という社会システムが機能し、人類はこの地球上で繁栄をしてきた。しかし、最近の資本主義はますます「超」株主中心となり、まず儲かることを中心に考えるようになってきている。そこがいびつになると、社会は内部に多大なストレスを抱え込み、信じられないような犯罪も起こってくる。

過度の市場主義、規制緩和が叫ばれ、岩盤規制廃止、自由競争が正しいと声高に主張される。医療、教育など人が生きていく根源の分野にも、規制緩和、市場主義の嵐が吹き荒れている。病院も株主制度にして、医師以外が経営トップになる方がよいような議論がなされている、株式会社の基本は儲ける事、株主の利益がまず確保される。そんな医療システムにして、一般国民がまともな医療を受けられはずが無い、患者さん中心の医療が困難になる。教育も「儲ける、儲けない」の世界にはなじまない。自由な市場原理、規制緩和などの言葉にだまされてはならない。

強欲な資本主義制度の基で、この地球が悲鳴を挙げている。「もし我々がこれまでと同様の発想で右肩上がりの豊かさを求めて人間圏を営むとすれば、人間圏の存続時間は100年ほどだろうと考えられる」(地球システムの崩壊 松井孝典 新潮選書)。

平成26年11月11日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

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指宿 菜の花通信(No.62)「田舎医者の流儀(37)・・・フェアトレード」

フェアトレード(公平貿易)は、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動。主な品目としてコーヒー、バナナ、カカオのような食品、手工芸品、衣服がある。需要や市場価格の変動によって生産者が不当に安い価格で買い叩かれ、あるいは恒常的な低賃金労働者が発生することを防ぎまた児童労働や貧困による乱開発という形での環境破壊を防ぐことを目的としている。(ウィキペディアより引用)

フェアトレードの「考え方」は、発展途上国のみでなく、高度に発達した資本主義国である日本などいわゆる先進国でも必要なように思う。現に、肌着を買いに行くと信じられないような安い価格で手に入る。消費者の立場では安くて、良質のものが得られればありがたい、会社は商品が多く売れると儲かる事になる。しかし、表面だけ見て、単純に喜んでいて良いのだろうか。生産者は潤っているのか、会社の中でも経営者は儲かっているが、そこの労働者はまともな賃金、雇用形態になっているのか、余計な事を心配してしまう。

新聞に残業時間が100時間超え、休日の殆どない労働者が過労死になり、裁判になる事例がたびたび報道される。社長さんは高い収入を得て、豪邸に住み、現場の労働者は過重労働で過労死に追い込まれる。人間の叡智が資本主義というシステムを作りあげ、そこに民主主義という社会システムが機能し、人類はこの地球上で繁栄をしてきた。しかし、最近の資本主義はますます「超」株主中心となり、まず儲かることを中心に考えるようになってきている。そこがいびつになると、社会は内部に多大なストレスを抱え込み、信じられないような犯罪も起こってくる。

過度の市場主義、規制緩和が叫ばれ、岩盤規制廃止、自由競争が正しいと声高に主張される。医療、教育など人が生きていく根源の分野にも、規制緩和、市場主義の嵐が吹き荒れている。病院も株主制度にして、医師以外が経営トップになる方がよいような議論がなされている、株式会社の基本は儲ける事、株主の利益がまず確保される。そんな医療システムにして、一般国民がまともな医療を受けられはずが無い、患者さん中心の医療が困難になる。教育も「儲ける、儲けない」の世界にはなじまない。自由な市場原理、規制緩和などの言葉にだまされてはならない。

強欲な資本主義制度の基で、この地球が悲鳴を挙げている。「もし我々がこれまでと同様の発想で右肩上がりの豊かさを求めて人間圏を営むとすれば、人間圏の存続時間は100年ほどだろうと考えられる」(地球システムの崩壊 松井孝典 新潮選書)。

平成26年11月11日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦