独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 2月 2015

指宿 菜の花通信(No.64)「田舎医者の流儀(39)・・・ささやかなこ事」

今日(1/31)は朝から雨が降っている。JR指宿駅でタクシーに乗り、病院に向かう。顔見知りの運転手が午前中は雨らしいと言う。7時30分頃、小学校の前を通る。校門前の横断歩道で、いつものように子供たちを誘導し、迎える人がいる。運転手によると、この小学校の校長先生らしい。かなりの豪雨、寒さ、暑さに関係なくその姿がある。何時からか記憶にないが、数年は続いている。こんな校長先生のいる学校で学ぶ子供たちは幸せだね。

私が20数年前、前任の病院に赴任した時、どういうわけか、歓迎されなかった。循環器内科は既にあるのに、もう一つ循環器内科が出来ることに違和感があったのだろう。心エコーの検査は週一回昼からのみ、17:00以降使う時、検査の途中であっても他のグループが使うときは直ちに明け渡す、心カテの検査は週一日、それもしかるべき医長の許可を得ること等々いろいろ制限をかけられた。

赴任して4日目、心不全の患者さんなど3名の入院があった。病棟に上がって行くと、看護師から「心電計もない、除細動器もない病棟に心臓病患者を入れて、急変でもあったらどう責任を取るのですか」と厳しい口調で言われた。もっともな話であった。事務方に行き、会計課長さんに「診療するための,機器を早急にそろえて欲しい」と話した。しかし、「今年はもう予算がありません」と冷たい対応であった。「事故が起こり、不幸な結果になり、裁判にでもなったら、私は患者さん側の証人になりますよ」と憎まれ口をたたく以外に策はなかった。

四面楚歌の病院で、真っ先に私どもを支持したのは病院の掃除をする人や看護助手の人達であった。何のことはない、私は人と会ったら自分から挨拶をする習慣があった。廊下、エレベーターで顔を合わせるとこちらから「おはようございます、こんにちは」と声をかけていた。特別なことではなく、当たり前の事である。彼女らは「今度来た先生は自分から挨拶されるよ」と言っていたという。それまで挨拶しても、返してもらえず、なんだか無視されたようで悔しい思いをすることが多かったらしい。

イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)に捕えられていた日本人ジャーナリストが殺害された。なんで、人の命をもてあそぶのか残念でならない。イスラムの人、アフリカの人、欧米人等々が「やあー」と声を掛け合い、お互いを尊重する対等平等の関係を築いていく、そんな積み重ねこそ大事ではなかろうかと思う。

平成27年2月3日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

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広報誌「菜の花」 No.32

指宿医療センター広報誌「菜の花」32号発行いたしました

下記のPDFよりご覧下さい

nanohana_32_01

nanohana_32_02

 

指宿 菜の花通信(No.64)「田舎医者の流儀(39)・・・ささやかなこ事」

今日(1/31)は朝から雨が降っている。JR指宿駅でタクシーに乗り、病院に向かう。顔見知りの運転手が午前中は雨らしいと言う。7時30分頃、小学校の前を通る。校門前の横断歩道で、いつものように子供たちを誘導し、迎える人がいる。運転手によると、この小学校の校長先生らしい。かなりの豪雨、寒さ、暑さに関係なくその姿がある。何時からか記憶にないが、数年は続いている。こんな校長先生のいる学校で学ぶ子供たちは幸せだね。

私が20数年前、前任の病院に赴任した時、どういうわけか、歓迎されなかった。循環器内科は既にあるのに、もう一つ循環器内科が出来ることに違和感があったのだろう。心エコーの検査は週一回昼からのみ、17:00以降使う時、検査の途中であっても他のグループが使うときは直ちに明け渡す、心カテの検査は週一日、それもしかるべき医長の許可を得ること等々いろいろ制限をかけられた。

赴任して4日目、心不全の患者さんなど3名の入院があった。病棟に上がって行くと、看護師から「心電計もない、除細動器もない病棟に心臓病患者を入れて、急変でもあったらどう責任を取るのですか」と厳しい口調で言われた。もっともな話であった。事務方に行き、会計課長さんに「診療するための,機器を早急にそろえて欲しい」と話した。しかし、「今年はもう予算がありません」と冷たい対応であった。「事故が起こり、不幸な結果になり、裁判にでもなったら、私は患者さん側の証人になりますよ」と憎まれ口をたたく以外に策はなかった。

四面楚歌の病院で、真っ先に私どもを支持したのは病院の掃除をする人や看護助手の人達であった。何のことはない、私は人と会ったら自分から挨拶をする習慣があった。廊下、エレベーターで顔を合わせるとこちらから「おはようございます、こんにちは」と声をかけていた。特別なことではなく、当たり前の事である。彼女らは「今度来た先生は自分から挨拶されるよ」と言っていたという。それまで挨拶しても、返してもらえず、なんだか無視されたようで悔しい思いをすることが多かったらしい。

イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)に捕えられていた日本人ジャーナリストが殺害された。なんで、人の命をもてあそぶのか残念でならない。イスラムの人、アフリカの人、欧米人等々が「やあー」と声を掛け合い、お互いを尊重する対等平等の関係を築いていく、そんな積み重ねこそ大事ではなかろうかと思う。

平成27年2月3日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦