独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 3月 2016

指宿 菜の花通信(No.79)「田舎医者の流儀(54)・・・外来駐車場に車が多い、僕は機嫌が悪いのだ」

 今月初め、福岡でレジナビという、医学生向け卒後初期臨床研修病院を紹介する催しがあった。旧知の病院や先生方が多数参加されていた。熊本中央病院のコーナーに医師らしい方がいらしたので、「岩永名誉院長は元気にされていますか」と声をかけた。名刺を頂いたら診療部長さんであった。「実は岩永先生は10日程前に肺炎で亡くなられた」と。

 岩永勝義先生(前熊本中央病院名誉院長)は私より5年先輩だが、病院の考え方、運営の仕方など最も影響を受けた方である。先生は熊本大学医学部を卒業、血液疾患を専門にする内科に入局、「赤血球に関する研究」で博士号を得たと聞いた。その後、熊本中央病院に就職、内科の先生方が話し合って、今後の専門分化に対応するため、循環器、消化器、呼吸器など手分けして担当しようということになり、先生は循環器部門の担当となった。

 先生は循環器病の基本的な勉強をするため、当時九州の循環器病学の巨頭であった故木村登先生(久留米大学医学部第三内科教授)の門をたたかれた。昭和47年の事である。その年の1月より、私も木村教授の下に勉強に行っていた。先生とすぐ親しくさせて頂くようになった。先生の研修期間は3ヶ月、その後も毎週月曜日を研修日とし、久留米にみえた。夕方、先生、古賀伸彦先生(現新古賀病院理事長)、私の3人を中心にカテーテル検査までして確診に到った症例の検討会をしていた。心電図、心音図、脈波図などを一枚一枚厳しく議論しながら、最終診断に至る議論を繰り返した。この中で、循環器病学に対する基本的な力を身につけたように思う。

 カンファが終わると珈琲屋に行き、よくだべった。先生は夜10時過ぎに久留米を出て、熊本に帰って行った。私が久留米大病院にいた昭和48年10月まで続いた。先生は自院で循環器病の診療を始めると同時に熊本で循環器病検討会を各地に立ち上げ、病診連携の原型を作っていった。昭和62年、熊本中央病院の今後のあり方について、「この病院をこれからどうするのか」という当時の院長からの諮問があった。岩永先生は今から30年前に明確に「病診連携」の方向性を打ち出した。先生の考えはそれ以降、ぶれることがなかった。外来患者は少なくという思いが、「外来駐車場に車が多い、僕は機嫌が悪いのだ」という発言に結びついていく。

 一緒にゴルフすると「かずちゃん、ゴルフは各ホール打つ数が決まっているの。パー4は4つであがるの」と憎たらしい事を言っていた。元気なころはゴルフも上手で、飲み代は麻雀で稼ぐとも豪語していた。医学・医療に対する考え、生き方が規格外の先生であった。    合掌

平成28年3月29日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

インターンシップ開催のお知らせ(6月11日)

国立病院機構指宿医療センターでは、看護学校、看護系大学在学中の方を対象に、インターンシップを開催致します。実際に看護体験をし、指宿医療センターの雰囲気と特徴を理解していただく機会としています。是非、お気軽にご参加ください。

日時:平成28年6月11日(土)9:30~16:00

応募期間:平成28年3月28日(月)~平成28年6月10日(金)

(電話については土日・祝日は除く)

問い合わせ先:国立病院機構指宿医療センター

教育担当師長

TEL:0993-22-2231

インターンシップ開催のお知らせ

広報誌「菜の花」 No.36

指宿医療センター広報誌「菜の花」36号発行致しました。

①認知症院内デイケア導入にあたって

②訪問看護を行って

③第3回指宿医療センター市民公開講座を開催しました

④医科歯科連携 多職種口腔ケアラウンドを行っています

⑤指宿菜の花マラソン奮闘記 / マタニティーヨガ教室始めました

⑥指宿菜の花通信No.78 / 外来診療担当医一覧

下記のPDFよりご覧ください。

①② ③④ ⑤⑥

インターンシップ開催のお知らせ(再掲載H28.1.6)

国立病院機構指宿医療センターでは、看護学校、看護系大学在学中の方を対象に、インターンシップを開催致します。実際に看護体験をし、指宿医療センターの雰囲気と特徴を理解していただく機会としています。是非、お気軽にご参加ください。

日時:平成28年3月25日(金)9:30~16:00

応募期間:平成28年2月25日(木)~平成28年3月24日(木)

(電話については土日・祝日は除く)

次回は、6月11日(土)予定。詳細は、後日案内

問い合わせ先:国立病院機構指宿医療センター

教育担当師長坂元安恵

TEL:0993-22-2231

e-mail:kyouiku@ibusuki2.hosp.jp

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指宿メッセージ No.09 ポイント専門医

 良い医者を育てる(ペーパー専門医からポイント専門医へ)

 良い医者になるために、若手医師の教育はどうあるべきか、本物の専門医を養成するためにはどうすべきかといろいろと検討されている。新研修医制度や平成29年度から始まる新専門医制度などもそのひとつである。

 現行の専門医は学会間で差異も大きく、ゆるい制度だったのは確かで、そのためにペーパー専門医も存在していたのも事実である。その反省を踏まえ、新専門医制度では経験すべき疾患および症例数(ポイント数)も設定され、言わばポイント専門医と言ってもいいかもしれない。必須症例をくまなく経験させようと言う親心的な意味も有るかもしれない。

 専門医の中で内科、外科は対象が広いため、まずは一般の内科、外科専門医を取得し、さらにサブスペシャリストとなる専門分野を専攻する2階建て方式となる。卒業して約10年間は研修医、専攻医プログラムに入らなくてはならず、ポイント集めをしなくてはならない。中にはポイント獲得が仕事の中心になってしまいそうで怖い。

 おそらく、専門医の質が均一化され、医師間の差異が無くなり、新専門医制度の成果は出ると予想される。一方、診断マニュアル、治療マニュアルに即した治療以外は認めない、あるいは経験と勘による医療は邪道と見なす傾向が加速されるかもしれない。

 これで良い医師が育つのか。昔は医学部卒業後、ある意味自由で、本人任せ。良い医者になるも、ならぬも本人次第であった。評価するのは患者さんや住民で、すべて自己責任であった。

 勉強はあまりしなかったけど他人にやさしい医師もいれば、愛想は無いけど素晴らしい医療技術を有する医師もいた。卒業と同時に基礎医学の道に進み、臨床はできないが世界的な仕事をする研究医師も育った。この格差こそが問題に成ったのかもしれないが、一方、なんか人間的で魅力が有るように感じられるのは私だけであろうか。

 「なぜ、この病気を疑ったのですか?」と聞くと「勘」と答える先輩医師にもあこがれたものだ。

平成28年3月2日

 国立病院機構指宿医療センター 院長
 田 中 康 博

当院について 院長あいさつ ロゴマークについて 新病棟のご紹介 病院の理念 病院概要 地域医療支援病院 鹿児島県がん診療指定病院 開放型病院 指宿医療センターヘリポート 臨床研修 地域医療研修センター 情報公開 個人情報ファイル管理簿 文書ファイル管理簿 「情報公開・個人情報保護総合案内所」に関する広報 法令違反に関する外部からの通報手続きについて 節電行動計画 バリアフリー情報 出前講座 絵画展示のご案内 イベントカレンダー DPCデータによる当院の病院指標 平成27年度 病院指標 平成28年度 病院指標 ボランティア募集 新病棟建設工事の進捗状況 医師募集
診療科紹介 消化器科 循環器科 総合診療内科 小児科 外科 泌尿器科 産婦人科 麻酔科 眼科
部門紹介 看護部 看護部の概要 教育体制 看護単位(病棟)の紹介 薬剤科 治験管理室 診療放射線科 研究検査科 栄養管理室 リハビリテーション科 医療安全管理室 地域医療連携室 ひなぎく病児保育室
外来のご案内 外来を受診される方へ 外来案内図 今月の外来担当医師 文書料および予防接種料 セカンドオピニオン 人間ドック 専門外来担当医師・診療時間 物忘れ外来 母乳外来 遺伝カウンセリング外来
入院のご案内 初めて入院される方へ 病棟案内図
コラム 目の前で人が倒れたら? 子どもの病気について 月経困難症について 女性ホルモンと骨粗しょう症について これからママになるみなさんへ たばこの害について
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891-0498 鹿児島県指宿市十二町4145
【電話】
0993-22-2231 【FAX】0993-22-3149(ファックス) 【地域医療連携室FAX】0993-22-2772

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指宿 菜の花通信(No.79)「田舎医者の流儀(54)・・・外来駐車場に車が多い、僕は機嫌が悪いのだ」

 今月初め、福岡でレジナビという、医学生向け卒後初期臨床研修病院を紹介する催しがあった。旧知の病院や先生方が多数参加されていた。熊本中央病院のコーナーに医師らしい方がいらしたので、「岩永名誉院長は元気にされていますか」と声をかけた。名刺を頂いたら診療部長さんであった。「実は岩永先生は10日程前に肺炎で亡くなられた」と。

 岩永勝義先生(前熊本中央病院名誉院長)は私より5年先輩だが、病院の考え方、運営の仕方など最も影響を受けた方である。先生は熊本大学医学部を卒業、血液疾患を専門にする内科に入局、「赤血球に関する研究」で博士号を得たと聞いた。その後、熊本中央病院に就職、内科の先生方が話し合って、今後の専門分化に対応するため、循環器、消化器、呼吸器など手分けして担当しようということになり、先生は循環器部門の担当となった。

 先生は循環器病の基本的な勉強をするため、当時九州の循環器病学の巨頭であった故木村登先生(久留米大学医学部第三内科教授)の門をたたかれた。昭和47年の事である。その年の1月より、私も木村教授の下に勉強に行っていた。先生とすぐ親しくさせて頂くようになった。先生の研修期間は3ヶ月、その後も毎週月曜日を研修日とし、久留米にみえた。夕方、先生、古賀伸彦先生(現新古賀病院理事長)、私の3人を中心にカテーテル検査までして確診に到った症例の検討会をしていた。心電図、心音図、脈波図などを一枚一枚厳しく議論しながら、最終診断に至る議論を繰り返した。この中で、循環器病学に対する基本的な力を身につけたように思う。

 カンファが終わると珈琲屋に行き、よくだべった。先生は夜10時過ぎに久留米を出て、熊本に帰って行った。私が久留米大病院にいた昭和48年10月まで続いた。先生は自院で循環器病の診療を始めると同時に熊本で循環器病検討会を各地に立ち上げ、病診連携の原型を作っていった。昭和62年、熊本中央病院の今後のあり方について、「この病院をこれからどうするのか」という当時の院長からの諮問があった。岩永先生は今から30年前に明確に「病診連携」の方向性を打ち出した。先生の考えはそれ以降、ぶれることがなかった。外来患者は少なくという思いが、「外来駐車場に車が多い、僕は機嫌が悪いのだ」という発言に結びついていく。

 一緒にゴルフすると「かずちゃん、ゴルフは各ホール打つ数が決まっているの。パー4は4つであがるの」と憎たらしい事を言っていた。元気なころはゴルフも上手で、飲み代は麻雀で稼ぐとも豪語していた。医学・医療に対する考え、生き方が規格外の先生であった。    合掌

平成28年3月29日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

インターンシップ開催のお知らせ(6月11日)

国立病院機構指宿医療センターでは、看護学校、看護系大学在学中の方を対象に、インターンシップを開催致します。実際に看護体験をし、指宿医療センターの雰囲気と特徴を理解していただく機会としています。是非、お気軽にご参加ください。

日時:平成28年6月11日(土)9:30~16:00

応募期間:平成28年3月28日(月)~平成28年6月10日(金)

(電話については土日・祝日は除く)

問い合わせ先:国立病院機構指宿医療センター

教育担当師長

TEL:0993-22-2231

インターンシップ開催のお知らせ

インターンシップを行いました

ひよこ通信3月

広報誌「菜の花」 No.36

指宿医療センター広報誌「菜の花」36号発行致しました。

①認知症院内デイケア導入にあたって

②訪問看護を行って

③第3回指宿医療センター市民公開講座を開催しました

④医科歯科連携 多職種口腔ケアラウンドを行っています

⑤指宿菜の花マラソン奮闘記 / マタニティーヨガ教室始めました

⑥指宿菜の花通信No.78 / 外来診療担当医一覧

下記のPDFよりご覧ください。

①② ③④ ⑤⑥

平成28年度 薬剤師採用・追加募集要項について(終了)

独立行政法人国立病院機構九州グループにて、「薬剤師 採用情報(平成28年度採用・追加募集)」を掲載しています。
詳しくは、独立行政法人国立病院機構九州グループ 採用情報をご覧ください。

インターンシップ開催のお知らせ(再掲載H28.1.6)

国立病院機構指宿医療センターでは、看護学校、看護系大学在学中の方を対象に、インターンシップを開催致します。実際に看護体験をし、指宿医療センターの雰囲気と特徴を理解していただく機会としています。是非、お気軽にご参加ください。

日時:平成28年3月25日(金)9:30~16:00

応募期間:平成28年2月25日(木)~平成28年3月24日(木)

(電話については土日・祝日は除く)

次回は、6月11日(土)予定。詳細は、後日案内

問い合わせ先:国立病院機構指宿医療センター

教育担当師長坂元安恵

TEL:0993-22-2231

e-mail:kyouiku@ibusuki2.hosp.jp

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指宿メッセージ No.09 ポイント専門医

 良い医者を育てる(ペーパー専門医からポイント専門医へ)

 良い医者になるために、若手医師の教育はどうあるべきか、本物の専門医を養成するためにはどうすべきかといろいろと検討されている。新研修医制度や平成29年度から始まる新専門医制度などもそのひとつである。

 現行の専門医は学会間で差異も大きく、ゆるい制度だったのは確かで、そのためにペーパー専門医も存在していたのも事実である。その反省を踏まえ、新専門医制度では経験すべき疾患および症例数(ポイント数)も設定され、言わばポイント専門医と言ってもいいかもしれない。必須症例をくまなく経験させようと言う親心的な意味も有るかもしれない。

 専門医の中で内科、外科は対象が広いため、まずは一般の内科、外科専門医を取得し、さらにサブスペシャリストとなる専門分野を専攻する2階建て方式となる。卒業して約10年間は研修医、専攻医プログラムに入らなくてはならず、ポイント集めをしなくてはならない。中にはポイント獲得が仕事の中心になってしまいそうで怖い。

 おそらく、専門医の質が均一化され、医師間の差異が無くなり、新専門医制度の成果は出ると予想される。一方、診断マニュアル、治療マニュアルに即した治療以外は認めない、あるいは経験と勘による医療は邪道と見なす傾向が加速されるかもしれない。

 これで良い医師が育つのか。昔は医学部卒業後、ある意味自由で、本人任せ。良い医者になるも、ならぬも本人次第であった。評価するのは患者さんや住民で、すべて自己責任であった。

 勉強はあまりしなかったけど他人にやさしい医師もいれば、愛想は無いけど素晴らしい医療技術を有する医師もいた。卒業と同時に基礎医学の道に進み、臨床はできないが世界的な仕事をする研究医師も育った。この格差こそが問題に成ったのかもしれないが、一方、なんか人間的で魅力が有るように感じられるのは私だけであろうか。

 「なぜ、この病気を疑ったのですか?」と聞くと「勘」と答える先輩医師にもあこがれたものだ。

平成28年3月2日

 国立病院機構指宿医療センター 院長
 田 中 康 博