独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

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指宿メッセージ No.07 地域医療改革

2015年9月17日(木) 指宿メッセージ


 日本の医療費が年々増加し、40兆円に達する見込みと言われている。そのうちの4割の16兆円が税金で補てんされる。今から迎える高齢化社会、生産人口と高齢者の割合の不均衡など今後の医療財政は火の車状態である。世界から羨望のまなざしでみられている国民皆保険が維持できない状況になってしまうかもしれない。待ったなしの状況で今年度から地域医療構想の検討会、懇話会が始まる。医療費をいかに削減するかが課題の中心であるが、この際、今の医療システムを再構築し、費用の掛からない有効な仕組みを作るべき時期が来たと思っている。


 医療は命にかかわる事で基本的人権の尊重に基づくものであれば、品物のように市場原理に基づいて考えるべきではない。今まで明確な地域医療構想が無いまま、補助金(血税)が使われたり、地域事情の考慮もなく自由に開業が許されたりした「つけ」が、今都市と地域の医師偏在、地域医療較差という形になっているのかもしれない。


 医療を単にビジネスと捉えるアメリカでは、巨大化した薬品会社、保険会社、病院・介護株式会社が牛耳っており、会社のため、株主のための利益を追求する手段の一つに成っている。マニュアル化(ガイドライン化)することでサービスの均一化、医療や介護を標準化し、地域格差をなくすと言っているが、何か無機質な、人のぬくもりを感じない医療に成りそうで怖いものを感じる。本来日本人はこのような形は望まないのでは・・・。マニュアル第一で、主役の患者さんが見えないシステムとも言える。会社の損得でいろんな事が決定されると、地域は費用対効果が悪く切り捨ての対象に成りそうである。


 地域医療構想における改革は、今まで野放し状態であった医療介護に制限を設ける事にもなり、簡単には進まないと思うが、目先の事ではなく持続可能な仕組みを早急に作らなければ、日本の地域医療は完全に崩壊する危険性があり、日本の田舎では人が住めない状況に陥りかねない。


 各地域には古くから伝わる方言が有るように、日本全国、画一的な医療や介護は不可能と思っている。今回の地域医療構想が地域の、地域のための、地域による医療システムを作るきっかけになれば幸いである。



平成27年9月16日


 国立病院機構指宿医療センター 院長
 田 中 康 博


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