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指宿 菜の花通信(No.102)「田舎医者の流儀(77)・・・蜂蜜」

2017年12月5日(火) 菜の花通信


 11月に蜂蜜が取れた。昨年、知人のSさんが小山田の農園にミツバチの巣箱2個を置いた。彼は他にも5か所に巣箱を置いていて、蜂蜜取りのベテランだ。農園の片隅に離して2個の巣箱が置かれた。2個ともミツバチが入ってくると思っていたら、一方にはどんどん入るのに、片一方には全く寄り付かない。働きバチが偵察に来て、この巣箱は巣作りに適しているか観察するらしい、気に入ったらそこに巣作りを始める。結果的には2個の巣箱のうち一個のみに巣作りをして、もう片方には全く寄り付かなかった。(Sさんの話の受け売り)


 秋になると、スズメバチがミツバチを狙って来るようになった。ミツバチはパニックになり、巣箱の中に逃げ込む。巣箱の下方にミツバチが入れるような小さな隙間があり、大きなハチはそこからは侵入できない。働き者のミツバチたちはスズメバチの攻撃を避けながら、巣作りに励む。Sさんはスズメバチ対策で巣箱の上にハエ取り紙みたいなものを置いた。不思議なことにスズメバチはかかるのに、ミツバチは殆どかからない。巣箱の下側に置くと、両方ともかかるらしい。よく見ていると、ミツバチは巣箱の下側の入り口方向に飛んできて、巣箱の上方向には向かわない。スズメバチは箱の周りをうろつくのでその習性の差が出ているのかなと思う。


 11月中旬、Sさんがそろそろ蜂蜜を採りましょうとやってきた。私も興味があったので、ハチ除けの防具をつけて作業を見守った。蜜の詰まったハチの巣が結構な量とれた。食べると甘いが大変おいしい。家に持ち帰り、パンにつけて食べると大変おいしく、一時その味を楽しんだ。巣を取られたミツバチは巣箱を元に戻すとすごい勢いで中に入っていく。何千匹(?)もの働きバチが巣に戻った感じだ。ありがとうミツバチさん 美味しかったよ 来年もよろしく!!という感じだ。


 21世紀の初めごろより、ミツバチの減少が知られるようになってきた。蜂群崩壊症候群といって、ハチが忽然と消えてしまう現象も報告され、その原因は農薬、気候変動、ダニなどの害虫など考えられているが結論に至っていない。ミツバチはただ“はちみつ”を作るだけでなく、いちご、メロンなどの果物栽培の花粉交配という役割をも担っている。農作物の35%はミツバチの受粉によって実をつけ、大いなる恩恵を受けているのだそうだ。従って、ミツバチがいなくなると食料生産に深刻な大きな影響が出てくる可能性があるのだそうだ。


 地球環境の悪化はまず小動物に現れるだろう。ハチさんが住めなくなった環境はそのままヒトの生存の危機に直結していくのであろう。



平成29年12月5日


国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦


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