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指宿 菜の花 通信(No207) 田舎医者の流儀(182)・・・小屋での昼飯

 今日の昼飯は小さいいなり一個(コンビニで買った)、タンの燻製をフライパンで焼いたもの、ちくわの半分、作り置きのゆで卵一個、それに桃半分、ミカン小さなもの2個である。これ位の量であれば昼食後の血糖は150を超えることはない。リブレを付けているので血糖をいつでも測れる。ただ、リブレの測定値は実際に穿刺血で測ったものより私の場合は20位低く出る。

 昼飯は外食になる。水曜日、金曜日は指宿に行くので出前を頼む。幕の内弁当を頼むことが多い。それを全部食べることはない。ご飯は半分だけにしている(全部食べると血糖が上がる)。木曜日はゴルフすることが多いのでゴルフ場のレストランでの昼食になる。定番はカツオのハラ皮(焼き物)とおにぎり一個だ。

 それ以外の日は農園にいるので、小屋で昼食を作ることになる。小屋には電熱器や電子レンジがあるので少々の煮炊きは出来る。卵焼きを作ったり、農園の葉物を取ってきて野菜炒めも出来る。どうしたら美味しいものが作れるか考えることは楽しい。最近はコンビニに行くと味噌汁もお湯を注ぐだけで、そこそこの味の物が出来上がる。種類も多いので、いろいろ試してみるのも面白い。

 田舎の育ちなので、昔を思い出す。畑で取れたものを母親が料理して食べさせてくれた。果物は例えばスイカは朝収穫して、近くの川に浸して夕方引き上げて食べていた。ミカン、ビワ、ボンタンなどはそれぞれの時期に取れた物を食べていた。タンパク質は親父が時々ニワトリを処理して食べていた。これなどは特別なもので、お客さんが来た時のご馳走で出していた。母が作るニワトリの照り焼きは美味しかった。

 食べるものは自前で作っていた。僕の田舎は田んぼが少なかったので米は買っていた記憶がある。今みたいに食べるものを殆ど全部買っている状況はなかった。ロシアのウクライナ侵略によって世界的食料不足が懸念されている。ウクライナで取れた小麦などの輸出が妨害されている。国連を仲介にしてウクライナ産の小麦などを輸出する体制が出来たとニュースが報じていたが、例のごとくロシアがその港をロケット攻撃してぶち壊そうとしている。ロシアへの制裁を解かないと約束は履行できないようなことを言い始めている。

 食料の自給率を高めておかないといざというときにはお金を出しても誰も売ってくれない。自給率の向上が必要だと皆が理解をしているが、この国はそのような方向へ向かう気配がない。

 

令和4年7月26日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦