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指宿 菜の花 通信(No212) 田舎医者の流儀(187)・・・台風14号

 9月18日台風14号が鹿児島市に上陸した。鹿児島市に上陸した台風は私の記憶になかったが、報道でも初めてだと指摘していた。午後7時ごろ上陸とされたが、そのころ市内は殆ど無風状態になり、青空は見られなかったが台風の眼に入ったのかなと思わせた。その後の吹き返しもそれほど強くはならなかった。幸いにして大きな被害も出ず、通過した。「過去最強」と繰り返し報道されたので、一部には「騒ぎすぎ」との指摘も見られたが、それは結果であって自然現象を完全に予測することは困難なので、避難対応がうまくいって被害を最小限度にとどめられたと考えたい。

 個人的には台風で2つの事が影響を受けた。21日水曜日は出勤日であったので、いつものように中央駅から指宿行のJRに乗った。ところが列車は喜入までしか行かず、喜入-指宿間は不通であった。倒木が発生しその整備が間に合わず、その日は喜入-指宿間は運航されなかった。喜入まで行って、診療に穴をあけるわけにいかず、タクシーで行き何とか診療に間に合った。

 もう一つは、それでも「大風」だったので農園は周りの大きな竹が屋敷の方に3本倒れてきており、その処理をした。設置していた防寒用のビニールハウスが倒れて、修復の作業を余儀なくされた。一番の難儀は庭に散らばった落ち葉の処理であった。芝部分は箒等で除去したが老体には結構な作業量で休み休みの作業であった。それでもきれいになったら嬉しいものだ。コケ庭の落ち葉は掃くわけにもいかず、丁寧に手で落ち葉を拾い除去した、3日ほどかかりやっと終了した。

 台風に備えて、停電や断水が起こるかもしれないと懐中電灯や飲み水のストックをした。幸いに鹿児島市内は停電も断水も発生しなかった。九州電力によると、台風14号の影響で、22日午前11時現在、鹿児島県内7市町の計約2110戸で停電している。肝付町の約900戸が最も多く、鹿屋市約390戸、曽於市約330戸、志布志市約250戸、東串良町約160戸、大崎町約40戸、霧島市約30戸。電気が来ないと現代生活は途端に大変な不自由になる、被災した地域の方々のご苦労に思いを馳せた。

 今回の台風、地震、干ばつ、大雨による停電、家の被災などそれは自然災害なので仕方ないと諦めもしよう。しかし、ウクライナではプーチンロシアがダムを破壊、原発の近辺まで砲撃、一般住民の住居・アパート、学校、病院まで砲撃の対象にしている。ウクライナの人々の生活を徹底破壊している。戦争であっても最低限のルールがあるはずだ。自然災害ならそれなりの我慢もするし、耐えもする。しかし、プーチンロシアの蛮行には情けなさを超えた怒りの気持しか起こらない。

 

令和4年9月28日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦