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指宿 菜の花 通信(No215) 田舎医者の流儀(190)・・・練習

 報道によると米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平(28)が10月18日にメジャー5年目の今季を終え、羽田空港に帰国した。「9勝、46本塁打」でMVPに輝いた昨季に勝るとも劣らない「15勝、34本塁打」の活躍を引っ提げての凱旋帰国であった。

 大谷はオフでも都内の自宅とジムなどトレーニング場の往復にほぼ終始し、野球漬けの日々を送るという。元NPB球団の監督はその姿勢に感心する。「メジャーで好成績を残しても浮かれた様子が一切ない。うまくなろうと一日たりともおろそかにしていないようだ。おごらず、さらなる高みを目指す姿勢は選手の鑑。一番才能がある選手が一番努力している。今年は過去最高の状態でキャンプインしたと言っていたが、来年もそうするため、1日たりとも無駄のない練習スケジュールの下で動いているのではないか。」という。

 不動裕理(ふどうゆうり)は、1976年10月14日生まれ、熊本市出身の女子プロゴルファー。日本女子プロゴルフツアーで、2000年から6年連続で賞金女王に君臨。通算成績でツアー優勝50回、生涯獲得賞金は13億円を超える超一流プレーヤー。2004年にツアー30勝を達成したことから、27歳285日の史上最年少記録で永久シードを獲得した。

 不動裕理が「サラリーマンは1日8時間働くのだから、プロゴルファーが8時間練習するのは当たり前」と言ったという。プロゴルファー古閑美保は清元さん(不動の師匠)に師事していた。朝8時に練習場に集合し、球拾いと打席の掃除をして、9時に打ち始め。12時にランチと休憩。きっちり13時から再開し、自分のキリのいいところでパター練習やアプローチ練習を18時くらいまでやり続けた。あるとき師匠が「あんた、いつになったら不動と同じことやるの?」と。「不動は朝5時に起きて、ランニングしてストレッチして素振りして、朝7時にご飯を食べて、練習場に来てんのよ」と。

 日本男子ゴルフ「日本オープン」でアマチュアの蝉川泰果(東北福祉大)が95年ぶりとなるアマ優勝、アマでのツアー2勝も史上初の快挙だという。豊かな才能を雑事に時間を費消することなく、「練習・練習」で名のごとく和製「タイガー」になって欲しいと思う。

 私も下手ゴルフを続ける以上は練習しなくちゃと思って、時々打ちっぱなしに行く。100球やっと打てる程度、素振りをしても10回位で息が上がる。パター練習をしても5~10分も転がすと根気が続かない。要は練習する能力に欠けているということだ、上達しないはずだ。

 

令和4年10月28日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦