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指宿 菜の花 通信(No216) 田舎医者の流儀(191)・・・22・11月中旬

 秋も深まり、日が短くなり5時半頃は暗くなり始める。季節外れ(?)にシイタケが3個収穫できた。先週皆既月食があり、赤黒いお月さんが見られた。農園のドーダンつつじ、ブルーベリー、もみじ等が紅葉してきた。11月3日、叙勲の発表があり、私は瑞宝中綬章を受けた。過分な「章」を戴き、恐縮している。世間的には大変な「章」であるので多くの花やお祝いメール、手紙を戴いた。有難いことだと思っている。残された人生も短くなってきた、更に後輩の育成等に意を注ぎたい。

 今週、3年ぶりに孫見に札幌に行こうと準備している。先週末には5回目のコロナ予防接種も済ませた。第8波の流行が始まり、少々気になるが、気を付けて行こうと思っている。それにしても第7波が終息し、1ヶ月も立たないのにまた流行の兆しとは、コロナさんしつこ過ぎはしませんか。20年1月に1例目の患者さんが発生して以来、間もなく3年近くなるけど終息を見通せない。コロナの初期の病像は深刻で重症肺炎を起こし死亡率も高かった。現在、死亡率はインフルエンザに近くなり、現状にあった対策、コロナとの共存も必要になってきている。それでも、患者さんが増えると医療現場の対応は苦労が多い。

 20数年前大学病院に勤務していたころ、隣の研究室の研究助手の女性が統一教会に入り、出家した。フェリーのつき場で物売りをしていて、両親が嘆き悲しんでいると聞いた。その後、合同結婚式など教会の特異な行事が報道され、彼女がどうしているだろうと気にかけていた。長いことこの教会の事をわすれていたが安倍元総理の銃撃事件を契機に、この教会への関心が高まった。過度な献金などによる家庭崩壊などが報道され、特異な状況に国民は驚いている。国会議員がこの団体に陰に陽に関連し選挙の支援を受けていた実態が明らかになった。辞職した大臣はネパールでのこの教会の会合に出席しているが、外国にまで行ったのによく覚えていないと「弁明」した。外国での会合に出席したのもよく覚えていないとはこの人の「頭構造」はどうなっているのだろうか。これだけでもまともな判断が出来る人とは考えられない。大臣辞職は当然であろう。議員になろうとするなら、選挙を自立して戦う覚悟が必要だ。怪しげな支援を受けてはならないだろう。

 誰もが「人生には苦難、困難、災難などいろいろな難問が死ぬまで海の波のように絶えない」「欲や怒り・ねたみ・恨みなどの煩悩は死ぬまで減りもしなければ無くなることもない」(歎異抄ってなんだろう 高森顕徹著)。その苦しみから逃れるため、人は皆苦悩するのであろう。お金を出して解決することではない、お金を出せばご利益ありますと言うのは全くの嘘であろう。私はささやかに毎朝仏壇に線香とろうそくを点し、「南無阿弥陀仏」を唱える。

 

令和4年11月16日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦