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指宿 菜の花 通信(No225) 田舎医者の流儀(200)・・・警報

 3月になり、我が家もいつものお雛様を飾った、老夫婦の家だが、それでも春が来た感じでいいものだ。いつものように朝、新聞を取りに玄関を出た。家に入るとすさまじい警報音が鳴り響いた、数十秒後には自宅電話が鳴り、「警備会社です何かありましたか」と問われた。昨日、警報システムを設置したばかりでそのシステムをよく理解していなかった。スミマセンと謝りながらその威力に感心(?)した。

 最近年寄りの家に強盗が入り、平気で人を殺し、金を奪う粗暴犯が頻発している。心配した息子夫婦や娘から「警報装置」の設置を強く勧められ、従う事にした。怪しい者の侵入があった場合警報が鳴り、警備会社に伝わるようになっている。日本の治安も怪しくなってきたものだ。私は地方の出で(坊津)中学校までは田舎で暮らしていた。勿論家に鍵をかけることもなかったし、鍵を持ち歩くこともなかった。高校の時、鹿児島に出てきて、初めて家の鍵を持たされた。

 それにしても最近の強盗どものシステムには驚かされる。実行部隊を闇バイトで雇い、指令を出し、殺しもいとわず金を奪おうとする。1日100万円を出すアルバイトなんてまともな仕事であるはずもない、それを受ける輩がいるから不思議だ。指令を出す者は自らは手を汚さず、金を奪う。そこには人間性のかけらもない。当然、厳罰に処すべきである。

 ロシアのプーチンはそんなシステムを国家でやっている。内田樹は指摘する。「ウクライナが悪くて、ロシアが正しいと声高に主張する支援者が国際社会にまったくいない。これはかなり致命的なことだ。国際社会におけるプレゼンスというのは軍事力や経済力だけでは決まらない。 思想的指南力とか道徳的な高潔が国際社会における地位にはおおきくかかわってくる。大義名分のない、自国益だけのための戦争を仕掛けたことでロシアの地位はいま劇的に低下した。もう歯止めがきかない。」

 「長いタイムスパンで見ると、ロシアはこれから『滅びの道』を歩むことになる。ロシアはこれまで天然資源を売って外貨を稼いできたけれど、ヨーロッパ諸国は今後ロシアと取引しない方向に動く。海外からの投資も止まり、国債の格付けはデフォルト寸前まで下落した。一方のウクライナは西側諸国から手厚い支援が期待される。ロシアは中国が支援するでしょうけど、長期的に見ると、ウクライナの方がロシアより豊かな国、場合によってはロシアより『強い国』になる可能性がある。」

 それにしてもロシアの暴虐を一日も早く終わらせられないかと気を揉む日々だ。

令和5年3月8日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦