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泌尿器科

診療科紹介

泌尿器科は腎・尿路・男性生殖器および副腎などの後腹膜臓器を扱っています。

前立腺がん・腎がん・膀胱がんなどの尿路悪性腫瘍、前立腺肥大症・過活動膀胱などの排尿障害、膀胱炎・腎盂腎炎などの尿路感染症、尿路結石、腎不全・透析治療など幅広い泌尿器疾患に対応しています。これらの疾患の診断から治療、経過観察までをトータルマネジメントするのが我々泌尿器科医の仕事となっています。

当科の特長 ~尿路上皮がんにおける新たな治療選択肢

尿路上皮がんにおける新たな治療選択肢バベンチオ®治療を開始しました。

PD-L1 抗体「バベンチオ®(一般名:アベルマブ)」は、2021年2月に「根治切除不能な尿路上皮がんにおける化学療法後の維持療法」の治療薬として適応追加されました。指宿医療センターでは、2021年3月からバベンチオ治療を開始しています。

診療内容

前立腺肥大症

排尿困難や頻尿、残尿感などの症状があります。エコーや尿流量検査を行い症状を確認し、まずは内服での加療を行います。肥大が強い方や残尿が多い方、内服を行っても排尿困難が持続する方は内視鏡手術をおすすめします。

手術は一般的に行われている経尿道的前立腺切除術(TURP)だけでなく、出血が少なくより治療効果が確実な経尿道的前立腺核出術(TUEB)も導入しています。

尿路感染症

膀胱炎の症状は頻尿・排尿時痛、腎盂腎炎の症状は発熱、腰痛などがあります。

どちらも症状の軽いものは外来での内服治療を行います。高度の血尿を伴うような膀胱炎や、炎症の強い腎盂腎炎は入院しての点滴加療を行います。また、尿路感染を起こしやすいような基礎疾患が無いかの確認も行います。

前立腺がん検診

健康診断等で前立腺特異抗原(PSA)が高値と指摘された方は、外来での検査後必要時は前立腺生検(前立腺の組織検査)をおすすめしています。当院では、二泊三日の入院で前立腺生検を行っています。

尿路悪性腫瘍

最近は症状がなくても他の病気で撮影したCTなどで偶然指摘されることが増えてきています。

一般的に泌尿器科の悪性腫瘍は手術が治療の第一選択となることが多いです。ただ、高齢で発症することも多いため、体に負担が少ない治療ができるように心がけています。腎・腎盂・尿管の悪性腫瘍に関しては腹腔鏡での手術を導入しています。

尿路結石症

腰の痛み、下腹部の痛み、血尿などの症状があります。エコー・CTなどで結石の位置・大きさを調べます。

通常10mm以下の結石であれば自然に排石される可能性があるので、内服で経過を見ます。10mmよりも大きい結石や1ヶ月経過しても排石のない結石は結石破砕術をおすすめします。

腎不全・透析治療

平成29年9月より、外来通院での維持透析を開始しました。また、入院されている方の慢性腎不全・急性腎不全に対しての血液透析も行っております。

対象疾患

  • 前立腺癌
  • 膀胱癌
  • 腎盂・尿管癌
  • 腎癌
  • 精巣腫瘍
  • 陰茎癌
  • 前立腺肥大症
  • 過活動膀胱
  • 尿路結石
  • 尿路感染症
  • など

外来診療担当医

午前 枦木 手術日 枦木 枦木
再診のみ
枦木

スタッフ紹介

枦木 太郎はぜき たろう

泌尿器科医長

経歴

平成17年卒業

認定資格

  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医・指導医

専門分野・PR

指宿での勤務は3回目です。

第2の故郷のつもりで頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

診療科報告

泌尿器科学会の定める標準手術を年間80例以上施行しており、同学会の基幹教育施設に指定されております。
最近は体への負担が少ない腹腔鏡手術を導入しています。

2015年4月~2023年3月 主な手術実績

前立腺全摘除術(開腹) 25例
腹腔鏡下前立腺全摘除術 26例
腹腔鏡下腎(尿管)全摘除術 26例
腹腔鏡下腎摘出術 7例
腹腔鏡下腎部分切除術 5例
腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術 3例
腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術 3例
膀胱全摘術 1例
代用膀胱造設術 1例
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT) 230例
経尿道的前立腺切除術(TURP) 87例
経尿道的前立腺核出術(TUEB) 85例
経尿道的尿管狭窄拡張術 4例
精索捻転手術 2例
精巣摘出術 6例
精巣上体摘出術 2例
陰嚢水腫根治術 10例
尿道脱手術 2例
経尿道的尿路結石破砕術(TUL) 139例
経皮的腎結石破砕術 2例
内シャント造設術 16例
経尿道尿管ステント留置術 4例
経皮的腎ろう・膀胱ろう造設術 37例
膀胱結石摘出術 23例
前立腺生検 792例
陰茎腫瘍生検 2例
腹腔鏡下副腎摘出術 1例
腹腔鏡下仙骨膣固定術 1例
尿道狭窄内視鏡術 20例
経尿道的電気凝固術 5例
陰茎折症手術 1例
尿道形成術 2例
尿道拡張術 1例
外・内尿道腫瘍切除術・切開術 3例
環状切開術 2例
デブリードマン 1例
背面切開術 4例
外尿道口囊腫切除 1例

尿路上皮がんのバベンチオ®治療の開始について

尿路上皮がんにおける新たな治療選択肢として、バベンチオ®治療を開始しました。

PD-L1 抗体「バベンチオ®(一般名:アベルマブ)」は2021年2月に「根治切除不能な尿路上皮がんにおける化学療法後の維持療法」の治療薬として適応追加されました。指宿医療センターでは2021年3月からバベンチオ治療を開始しています。

尿路上皮がんについて

尿路上皮がんは腎盂、尿管、膀胱などの尿の通り道に発生するがんです。尿路上皮がんが転移すると手術で取り除くことは難しく、抗がん剤による治療が標準治療となっています。尿路上皮がんに対する抗がん剤治療は良く効くものの、副作用により続けることが難しいことが問題になっていました。

バベンチオ®療法は抗がん剤による治療に効果があった方に対する維持療法で、免疫チェックポイント阻害剤の一種です。

免疫チェックポイント阻害剤について

バベンチオを含む免疫チェックポイント阻害剤は、がんに対する新たな治療法の一つで、近年様々ながんで適応が広がっています。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫ががん細胞を攻撃する力を保つ薬で、治療効果がある反面、免疫にかかわる特殊な副作用が出る場合があります。そのため、使用できる施設や医師は限られています。