独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

女性ホルモンと骨粗しょう症

 骨密度を知って、骨粗しょう症の予防対策をしましょう!

女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、第二次性徴を開始させ月経を起こしたり、妊娠を維持したりといった働き以外にも、骨代謝、脂質代謝、血管機能など全身に作用することで、女性の健康維持に重要な役割を担っています。今回はこのうち「骨」に焦点を絞ってお話したいと思います。

思春期頃になると卵巣からのエストロゲン分泌が始まり、初経(はじめての月経)を迎えますが、この頃にエストロゲンの働きにより骨密度が急速に増加し、骨が成熟していきます(図中(1))。二十歳前後までの時期に十分な骨密度を獲得することは、将来の骨の健康のために重要です。

また、五十歳前後の時期にはどなたも閉経を迎えます。閉経とは言い換えればエストロゲンの分泌が著しく低下した状態です。エストロゲンには骨を作る細胞と壊す細胞の働きのバランスを調節するという機能があり、閉経後にはこのバランスが崩れて骨を壊す細胞の働きの方が強まります。

女性の骨密度は閉経を境に右肩下がりに減少し始め(図中(2))、若年女性の骨密度の平均値の7割以下にまで減少すると、骨粗しょう症と診断されます。骨粗しょう症とは弱い外力でも容易に骨折を来す状態であり、背骨の骨折や大腿骨の骨折を起こすことにより寝たきりの原因の一つにもなります。

骨粗しょう症を予防するためには、まず自分の骨密度がどの程度であるかを知っておくことが大切です。骨密度はX線や超音波を使用する機器などで測定することができるので、検査を受けたことがない方は一度受けてみられることをお勧めします。若い方でも、初経の時期が遅かった方や、一時的に無月経の期間があったという方は、自分の現在の骨密度をあらかじめ知っておくことで、骨粗しょう症の予防対策を早めに開始できる可能性があり、きっと有益な情報になると思います。

更年期障害の治療法の一つとして、低下したエストロゲンを補うことで症状を和らげるホルモン補充療法というものがあります。エストロゲンには骨密度の低下を予防する効果があり、更年期症状に対する治療と骨粗しょう症の予防を同時に行うことができます。もちろん女性ホルモン剤以外の治療法もあります。骨密度検査を希望する方、骨密度の低下を指摘されたことがある方は、一度産婦人科でご相談されることをお勧めします。

 

指宿市広報誌 平成27年10月号に掲載(一部改変)


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