独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

指宿 菜の花 通信(No113) 「田舎医者の流儀(88)・・・勝海州の健康論」

2018年10月26日(金) お知らせ

 大河ドラマ「セゴドン」も佳境に入り、先日は「江戸無血開城」についての西郷・勝会談のシーンであった。勝は「とにかく西郷の人物を知るには、西郷くらいな人物でなくではいけない。俗物には到底分らない。あれは政治家やお役人ではなくて一個の高士だもの」「西郷に及ぶことの出来ないのは、その大胆識と大誠意とにあるのだ。おれの一言を信じて、たった一人で、江戸城に乗込む。おれだって事に処して、多少の権謀を用いないこともないが、ただこの西郷の至誠は、おれをして相欺くに忍びざらしめた。この時に際して、小籌浅略を事とするのはかへってこの人のために、腹を見すかされるばかりだと思って、おれも至誠をもつてこれに応じたから、江戸城受渡しも、あの通り立談の間に済んだのサ」 という。

 その勝海舟の健康論は現代医学の観点から見ても「本質」をついている。ある行者が「自分の心に咎めるところがあれば、いつとはなく気がうえて来る。すると鬼神と共に動くところとの至誠が乏しくなって来る。そこで、人間は平生踏むところの筋道が大切ですよ」と言って聞かせた。「この話を聞いて、おれも豁然として悟るところがあり、爾来今日に至るまで、常にこの心得を失はなかった。全体おれがこの歳をして居りながら、身心共にまだ壮健であるといふのも、畢竟自分の経験に顧みて、いさゝかたりとも人間の筋道を踏み違へた覚えがなく、胸中に始終この強味があるからだ」と。

 「人間長寿の法といふもほかにはない。俗物には、飲食を摂して、適度の運動を務めなさいと言へば、それでよいが、しかし大人物にはさうはいかない。見なさい、おれなどは何程寒くっても、こんな薄っぺらな着物を着て、こんな煎餅のやぅな蒲団の上に座って居るばかりで、別段運動といふことをするわけでもないが、それでも気血はちゃんと規則正しく循環して、若い者も及ばないほど達者ではないか」「さあここがいはゆる思慮の転換法といふもので、すなはち養生の第一義である。つまり綽々たる余裕を存して、物事に執着せず拘泥せず、円転豁達の妙境に入りさへすれば、運動も食物もあったものではないのさ」
(氷川清話 勝海舟 講談社学術文庫)

 そうして、あの時代勝海舟は75歳まで生きた。現代医学はストレス過剰・交感神経興奮が「慢性の炎症状態」を惹起し、病の原因・進展に深く関与することを明らかにしつつある。勝は「自分の心に咎めるところがなく」「綽々たる余裕を存して、物事に執着せず拘泥せず、円転豁達の妙境」あることが養生の第一義であるという。その慧眼に驚かされる。

平成30年10月19日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

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