独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

指宿 菜の花 通信(No114) 「田舎医者の流儀(89)・・・「痛い・痛い」飛んでいけ」

2018年11月22日(木) お知らせ

 心臓疾患の中にも「気」から起こったとしか考えられない「病気」がある。開業の先生から、70台女性で心臓が悪いようなので、診てくれないかと依頼を受けた。心不全状態であり、心エコーをすると左室の心尖部が全く動いていない、まさに「心筋梗塞」を思わせる所見であった。話を聞くと、数日前に娘さんの家が火事で、それを見て気が動転したと言う。病歴から言ってタコつぼ型心筋症と考えられた。広島の先生が見つけた病気で、過度のストレスに晒されたとき起こり、自律神経系の過度の緊張が関与すると考えられている。適切な治療により心筋の動きも改善、後遺症も残さず治癒、日常生活に復帰された。

 なんで、こんな事が起こるのか、長い間疑問に思っていた。先日、本屋をぶらついていたら、『「病は気から」を科学する』と言う本が眼についた。著者が科学ジャーナリストとして「信頼置けそうな経歴」であったので読んでみることにした。

 の本の一節。「レビン(歯科医)は、口腔外科手術後の患者に強力な鎮痛剤だと言って生理食塩水の静脈注射をした。患者の1/3以上が、プラセボ投与後、痛みが著しく緩和されたと言った。そのあと、レビンは患者に伝えることなく、エンドルフィンの効果を阻害する薬ナロキソンを投与した。すると、患者の痛みがぶり返したのだ。このことは実薬と同様に鎮痛剤だという思いに脳が反応して、エンドルフィンが出し、実薬と同様の実体のあるメカニズムが働いて鎮痛効果出した事を示している。
*(エンドルフィンは、脳内で機能する神経伝達物質、内在性オピオイドであり、モルヒネ同様の作用を示す。内在性鎮痛系にかかわり、また多幸感をもたらす)

 今まで、プラセボを投与して「効く」のはそんな気がするだけの、気分の問題と考えられていた。実は痛み止めだと強く思う気持ちに、脳が反応して脳内の「天然薬局」からエンドルフィンを出しているという。今までの常識を覆す話である。

 小さい子供が転んで手、足を打って泣いているとき、母親は患部をさすりながら『「痛い・痛い」飛んでいけ』とあやすと、子供が泣き止んでしまうことがある。これも単に気分的な問題でなく、実際にエンドルフィンが出て、鎮痛効果が出ていると考えられるのだろうか。人の体の構造は次から次へと新しい事が判って、面白いね‼。
参考文献:「病は気から」を科学する ジョー・マーチャント著 服部由美訳 講談社」

平成30年11月21日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦


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