独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

指宿 菜の花 通信(No115) 「田舎医者の流儀(90)・・・「病は気から」

2018年12月6日(木) お知らせ

 「絶え間のないストレスが人の体を破壊する方向に働き、例えば、イギリスの公務員数万人を追跡した試験で、ストレスの強い仕事を持つ人は著しく短命で、死因のほとんどが心疾患である」という。様々のデータから、ストレスに晒された人たちの寿命が短いことは明らかである。最近、そのメカニズムが最新科学で解明されつつある。

 遺伝子レベルの研究では『「数年間、孤独を感じてきた「特に寂しい人たち」8名と、よい友人を持ち、「特に人とのつながりのある人たち」6名を選び、各群で活性化している遺伝子を分析した。孤独な人たちで発現が亢進された遺伝子は大部分が炎症に関与し、発現が抑制された遺伝子の多くが抗ウイルス反応と抗体産生に関与していた。社交的な人たちはその逆だった。つまりストレスに晒されると炎症が起こりやすい方向になる』という。

 「母親たちをニ群に分け、テロメアを研究した。片方の群は健康な子を持つ母親たち、もう片方の群は自閉症などの慢性疾患の子を持つ母親たち。その結果、女性のストレスが大きいほど、テロメアが短くなることが明らかになった。最も疲れ切っていた女性たちのテロメアは、ストレスの小さい女性たちのものと比べると、十年速く老化しているように見え、テロメアの伸長を行う酵素テロメラーゼの値は半分だった。ストレスを感じると、人は病気になるだけでなく、老化も進む」という。*テロメア:染色体の末端にあり、老化や寿命に関係する。

 慢性的なストレスは自律神経の緊張をもたらし、免疫機能の低下などを介して慢性的な炎症状態を引き起こし、発病・老化を促進する方向に働くということのようだ。以前、本通信で紹介した勝海舟は、健康法の基本はまず「自分の心に咎める」事のない生き方が大事と説く。心に咎める事がないとストレスにさらされる事が少なくなり、何よりの健康法だと言う。現在の学説にも大いに合致する考えで、見識の高さに驚嘆させられる。

 先日来、どこぞのカリスマ経営者は給与を低く記載し、私用の豪邸や家族旅行を会社に負担させ、政治家は政治資金の不正を指摘される。上に立つ人が一般社会では許されない事を平気で行っている。そんな「心に疾しい事」をしていたら、長生き出来ませんよと言いたいが、「疾しい事」と思っていないのかもしれない、困ったものだ。庶民は悪さをすると「心に咎める」ので、やはり「清く正しく」生きて、ストレスを受けないようにしたが良いかな。
参考文献:「病は気から」を科学する ジョー・マーチャント著 服部由美訳 講談社」

平成30年12月6日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦


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