独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 1月 2010

指宿 菜の花通信(No.5)「指宿 脳卒中 来たれ脳内科医」

明けましておめでとうございます。

日本の脳卒中死亡は岩手県、高知県、秋田県の順で高く、鹿児島県は全国6位です。鹿児島県の中では、指宿保健所管内が1位(平成19年)、この数年、指宿とお隣りの南薩地区が鹿児島県で一番死亡が多い。薩摩半島の南部が多いということになる。いろいろ議論はされているが、その原因は解らない。指宿は気候も温暖、食材も豊富で新鮮なものが多い、もちろん温泉の町でもある。それなのに何故多いのかよく解っていない。

ちなみにここ10年、九州では鹿児島県が常に脳卒中死亡1位である。全国1位の岩手県で10万にあたり162.1人の死亡に対して、鹿児島県は147.7人、その中で指宿地区は224.9人と大変高いレベルにある。生活習慣病の中では鹿児島県はがん15位、心臓病14位で、脳卒中の順位が高い。この事実は鹿児島県の脳卒中専門医にも良く認識されていないようだ。この話をすると、専門の医師が意外にびっくりしている。

その中で、指宿地区には重症例の手術が出来る脳外科施設はない。約6万人の診療圏ではそうした脳外科施設の設置は難しいのかもしれない。昨年暮れに、県内の病院としては初めての施設内にヘリポートを開設し、迅速に鹿児島市の脳外科施設に搬送出来るシステムを構築した。一方、当院の脳内科医はかって4名いたが、初期臨床研修医制度の発足後、大学からの派遣が減少し、現在は1人しかいない。当然であるが、脳卒中の急性期治療、リハビリを含めた慢性期治療などに一人で対応することは難しい。努力はされているが、医師の確保は難しいのが現状だ。

指宿地区の脳卒中死亡が多い現実を放置できない。急性期、慢性期の治療のみでなく、その予防まで取り組まなければならない。なぜ多いのかも解明していかなければならない。この現実に立ち向かう脳内科医が欲しい。医師として、やりがいのある課題だと思う。「求む脳内科医」の声が志のある医師に届くのを願っている。

平成22年1月12日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

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指宿 菜の花通信(No.5)「指宿 脳卒中 来たれ脳内科医」

明けましておめでとうございます。

日本の脳卒中死亡は岩手県、高知県、秋田県の順で高く、鹿児島県は全国6位です。鹿児島県の中では、指宿保健所管内が1位(平成19年)、この数年、指宿とお隣りの南薩地区が鹿児島県で一番死亡が多い。薩摩半島の南部が多いということになる。いろいろ議論はされているが、その原因は解らない。指宿は気候も温暖、食材も豊富で新鮮なものが多い、もちろん温泉の町でもある。それなのに何故多いのかよく解っていない。

ちなみにここ10年、九州では鹿児島県が常に脳卒中死亡1位である。全国1位の岩手県で10万にあたり162.1人の死亡に対して、鹿児島県は147.7人、その中で指宿地区は224.9人と大変高いレベルにある。生活習慣病の中では鹿児島県はがん15位、心臓病14位で、脳卒中の順位が高い。この事実は鹿児島県の脳卒中専門医にも良く認識されていないようだ。この話をすると、専門の医師が意外にびっくりしている。

その中で、指宿地区には重症例の手術が出来る脳外科施設はない。約6万人の診療圏ではそうした脳外科施設の設置は難しいのかもしれない。昨年暮れに、県内の病院としては初めての施設内にヘリポートを開設し、迅速に鹿児島市の脳外科施設に搬送出来るシステムを構築した。一方、当院の脳内科医はかって4名いたが、初期臨床研修医制度の発足後、大学からの派遣が減少し、現在は1人しかいない。当然であるが、脳卒中の急性期治療、リハビリを含めた慢性期治療などに一人で対応することは難しい。努力はされているが、医師の確保は難しいのが現状だ。

指宿地区の脳卒中死亡が多い現実を放置できない。急性期、慢性期の治療のみでなく、その予防まで取り組まなければならない。なぜ多いのかも解明していかなければならない。この現実に立ち向かう脳内科医が欲しい。医師として、やりがいのある課題だと思う。「求む脳内科医」の声が志のある医師に届くのを願っている。

平成22年1月12日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦