独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 8月 2013

指宿 菜の花通信(No.47)「田舎医者の流儀(22)・・・八月」

盆に墓参りをした。両親とも亡くなったので、生まれ育った郷里には、今や、親、兄弟誰もいなくなった。今年になって、残っていた生家をシロアリ被害もあり、取り壊した。家がなくなり、その跡地に立つと感傷的な気分になる。「水平線に落ちる大きな夕日を眺めながら、あの世に行きたいな」と話したら、家人曰く「こんなところで誰が面倒みてくれるのよ」・・・と。

庭に大きな樹が生えていた、小学生の時だったと思うけど、強い台風の翌朝倒れていた。家の方向に倒れてこなかったので、被害は受けなかった誰かが、樹のすぐ近くに祭ってあった小さな神様が守ってくれたのだと言っていたのを思い出す。その樹の根っこの部分は残っていて、夏になるとサクラランの可憐な花がいくつも咲いていた。かすかなにおいも心地よかった。そのサクラランもいつの間にかなくなってしまった。

先週、例の研修医確保の為に、岡山に出向いた。新幹線で、夕方6時頃に広島を通った。マツダスタジアムが夕暮れの中で煌々と浮き出ていた。列車で通過する間、あの68年前の惨劇を思わせる風景は見えない。今年も原爆記念式典が開催され、核廃絶への願いが込められた。某国の政府高官がこの行事を揶揄する発言をしたと報道された。悲しい、こんな発言。被害の実態を学んで欲しいものだ。

我が国は唯一の被爆国でありながら、福島原発事故で再度、被曝してしまった。我々が最終処分の出来ない核廃棄物を出す原発を許容してきた結果である。原発再稼働問題も地震、津波対策を中心に論じられている。地震対策も活断層を中心に論じられているが、そもそも地震の予測は出来ないのが現状で、その起こる規模も判らない。一般の家やビルを造るのとはわけが違う。破綻してしまうと、処分の出来ない核廃棄物を抱え込むことになる。今度の福島原発問題の根源的な問いかけを深刻に受け止めるべきではなかろうか。

ゼロ戦、特攻の問題を扱った「永遠の0」という小説を読んだ。あの時代、人が大事に扱われなかった。当時の指導者は人より物を大事に考え、例えば、熟練の飛行機乗りを育てるのは大変なこととは理解していなかったようだ。無謀な作戦で、熟練の「兵士」を失っていった。特攻も最初、相手が警戒していなかったので、成功した。しかし、後では殆ど被害を与えることは出来なかったという。それでも、無謀に突っ込ませていた。・・・・・八月は戦争、命を考える月だ・・・・・。

平成25年8月6日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

当院について 院長あいさつ ロゴマークについて 新病棟のご紹介 病院の理念 病院概要 地域医療支援病院 鹿児島県がん診療指定病院 開放型病院 指宿医療センターヘリポート 臨床研修 地域医療研修センター 情報公開 個人情報ファイル管理簿 文書ファイル管理簿 「情報公開・個人情報保護総合案内所」に関する広報 法令違反に関する外部からの通報手続きについて 節電行動計画 バリアフリー情報 出前講座 絵画展示のご案内 イベントカレンダー DPCデータによる当院の病院指標 平成27年度 病院指標 平成28年度 病院指標 ボランティア募集 新病棟建設工事の進捗状況 医師募集
診療科紹介 消化器科 循環器科 総合診療内科 小児科 外科 泌尿器科 産婦人科 麻酔科 眼科
部門紹介 看護部 看護部の概要 教育体制 看護単位(病棟)の紹介 薬剤科 治験管理室 診療放射線科 研究検査科 栄養管理室 リハビリテーション科 医療安全管理室 地域医療連携室 ひなぎく病児保育室
外来のご案内 外来を受診される方へ 外来案内図 今月の外来担当医師 文書料および予防接種料 セカンドオピニオン 人間ドック 専門外来担当医師・診療時間 物忘れ外来 母乳外来 遺伝カウンセリング外来
入院のご案内 初めて入院される方へ 病棟案内図
コラム 目の前で人が倒れたら? 子どもの病気について 月経困難症について 女性ホルモンと骨粗しょう症について これからママになるみなさんへ たばこの害について
お知らせ アクセス お問い合わせ 採用情報 プライバシーポリシー サイトマップ
独立行政法人国立病院機構指宿医療センター
891-0498 鹿児島県指宿市十二町4145
【電話】
0993-22-2231 【FAX】0993-22-3149(ファックス) 【地域医療連携室FAX】0993-22-2772

Back to top

Copyright © 2013 National Hospital Organization Ibusuki Medical Center All Rights Reserved.

指宿 菜の花通信(No.47)「田舎医者の流儀(22)・・・八月」

盆に墓参りをした。両親とも亡くなったので、生まれ育った郷里には、今や、親、兄弟誰もいなくなった。今年になって、残っていた生家をシロアリ被害もあり、取り壊した。家がなくなり、その跡地に立つと感傷的な気分になる。「水平線に落ちる大きな夕日を眺めながら、あの世に行きたいな」と話したら、家人曰く「こんなところで誰が面倒みてくれるのよ」・・・と。

庭に大きな樹が生えていた、小学生の時だったと思うけど、強い台風の翌朝倒れていた。家の方向に倒れてこなかったので、被害は受けなかった誰かが、樹のすぐ近くに祭ってあった小さな神様が守ってくれたのだと言っていたのを思い出す。その樹の根っこの部分は残っていて、夏になるとサクラランの可憐な花がいくつも咲いていた。かすかなにおいも心地よかった。そのサクラランもいつの間にかなくなってしまった。

先週、例の研修医確保の為に、岡山に出向いた。新幹線で、夕方6時頃に広島を通った。マツダスタジアムが夕暮れの中で煌々と浮き出ていた。列車で通過する間、あの68年前の惨劇を思わせる風景は見えない。今年も原爆記念式典が開催され、核廃絶への願いが込められた。某国の政府高官がこの行事を揶揄する発言をしたと報道された。悲しい、こんな発言。被害の実態を学んで欲しいものだ。

我が国は唯一の被爆国でありながら、福島原発事故で再度、被曝してしまった。我々が最終処分の出来ない核廃棄物を出す原発を許容してきた結果である。原発再稼働問題も地震、津波対策を中心に論じられている。地震対策も活断層を中心に論じられているが、そもそも地震の予測は出来ないのが現状で、その起こる規模も判らない。一般の家やビルを造るのとはわけが違う。破綻してしまうと、処分の出来ない核廃棄物を抱え込むことになる。今度の福島原発問題の根源的な問いかけを深刻に受け止めるべきではなかろうか。

ゼロ戦、特攻の問題を扱った「永遠の0」という小説を読んだ。あの時代、人が大事に扱われなかった。当時の指導者は人より物を大事に考え、例えば、熟練の飛行機乗りを育てるのは大変なこととは理解していなかったようだ。無謀な作戦で、熟練の「兵士」を失っていった。特攻も最初、相手が警戒していなかったので、成功した。しかし、後では殆ど被害を与えることは出来なかったという。それでも、無謀に突っ込ませていた。・・・・・八月は戦争、命を考える月だ・・・・・。

平成25年8月6日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦