独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 4月 2014

職員(コメディカル)募集について(終了)

現在、薬剤師(常勤)の募集を行っております

 

応募資格   : 薬剤師免許取得者

願書受付   : 随時

採用試験日  : 応募状況に応じて選考実施日を決定のうえ、詳細な日時については、

           選考応募者へ 別途ご案内いたします

 

   ※募集要項・申込書については下記よりダウンロードしてください 薬剤師募集要項・願書(pdf)

指宿 菜の花通信(No.54)「田舎医者の流儀(29)・・・動悸(その1)」

「今朝から胸がドキドキしています」、60歳代の男性が訴えてきた。脈をとると速く、不整もある。すぐ心電図を記録することにした。しかし、帰ってきた心電図は、不整脈なく正常であった。「動悸は心電図を記録する前に止まりました」と、よくあることである。不整脈がないのではなく、記録されなかっただけである。動悸の時の心電図が記録されないと、正確な不整脈の診断は出来ない。状況を見て、24時間の心電図記録(ホルター心電図)を試みる。

脈が速くなって動悸と感じる場合以外に、心拍の不整(例えば期外収縮)、拍動を大きく感じる(例えば大動脈閉鎖不全症・・・血圧の上下差が大きい)のも動悸と訴えられる事がある。動悸の診断は心臓の電気現象であるので、心電図記録が必要である。発作性心房細動、発作性上室性頻拍症、心室性頻拍など治療を要する疾患は薬物療法、経皮的カテーテル心筋焼却術などを行なう。この分野の治療は大変進歩してきているので、治療効果が得られることが多くなってきている。

そもそも、心臓は一分間に60回前後拍動する。1時間に3600回、24時間で86400回、一年間で3200万回、寿命を80年とすると26億回動くことになる。人が作った機械では80年もあるいは100年も故障なしに動き続ける事はない。心臓が止まったら、個体の「死」になってしまう、そこで「なんとしても止めない」ように進化してきたと考えられる。心臓には止まらないための機構が多く備わっている。そのために、ちょっとした刺激で、正常以外の所から刺激が出てくる。従って、不整脈の種類も、頻度も多い事になる。

もちろん、致死的な不整脈は十分な治療が必要だが、そうでないものは治療しないこともある。そんな方には「心臓は一日8~10万回打つのですよ。全部間違えないで打ちなさいと言うのは酷ですよ」「24時間心電図を記録すると、全く不整脈のない方は少ないですよ」等と説明する。動悸等の症状がある方には薬をあげても良さそうであるが、実は抗不整脈剤には逆に不整脈を起こす作用(催不整脈作用)を併せ持つ物も少なくない。そこいらの按配を考えて治療する。

脈・心拍が速くなる、原因が心臓以外にあることもある。甲状腺機能亢進症では脈が速くなり、頻脈性心房細動を起こす事もある。貧血がひどいと頻脈になる。あるご婦人が動悸を訴え来院、かなりひどい貧血で、お腹を触ってみると下腹部に大きな腫瘤を触れた。大きな子宮筋腫が見つかり、手術で良くなった事もあった。動悸の時も全身をしっかり診ることが大切だ。

平成26年4月15日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

指宿 菜の花通信(No.53)「田舎医者の流儀(28)・・・新治療」

先週、日本循環器学会総会が東京であった。最近、学会に行くことが少なくなっていたが、専門医の資格を維持するための研修点数が足りないことが判り、3日間学会に出席、多くの演題を聞いた。学会場は国際フォーラムを中心に3会場、東京駅、有楽町駅に近く、利便性の良い所にある。昼飯を食べようと、駅の近くで探すがどこも行列、すぐ入れる店は見つからない。連休中で春休みということもあるのだろう、ともかく人が多い。こんな所で生活している人達(官僚?)の作る政策は、過疎の町の事など抜け落ちていくだろうなと思った。

最近の循環器分野の話題の一つは、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVIと呼ばれている)である。従来、大動脈弁狭窄症の手術は胸を開いて、人工心肺を用いて行われてきた。以前は本症の原因はリュウマチ性、先天性が多かった。しかし、高齢化の進行に伴い、大動脈弁硬化の者が多くなってきた。当然、他に合併症を有する者が増え、更に高度の大動脈硬化・石灰化を有するケースが増えてきた。すると手術のために大動脈を挟んだり、切開をする事が出来なくなり、手術不能例が増えてきた。

そこで、経カテーテル大動脈弁留置術が開発されてきた。画期的な技術で、動脈からカテーテルを入れて、硬化した大動脈弁の部位で広げ、人工弁を装着する手術である。狭心症や心筋梗塞で狭くなった血管を広げる(冠動脈形成術など)治療を行ってきた循環器内科のカテーテル治療専門医が中心になることが多いが、トラブルが起こったら即対応できる心臓外科医、この治療を熟知した看護師、画像処理の出来る放射線技師あるいは心エコーの専門医などのチームが必要である。

従来、チーム医療というと、病院全体に関連するリスク、感染、褥瘡対策などを進めるチームを指すことが多かった。大動脈弁狭窄症の手術というような外科治療、心臓外科医の聖域に、循環器内科医を始め他の分野の者が口出しは出来なかった。そこに熟練したチームを作り、対応することが成功率を上げると考えられるようになってきた。一昔前の循環器医者には考えられない事である。しかし、良好な結果を得ようとすれば当然の事であろう。

この治療には手術台と血管造影装置が一体となった、ハイブリッド型手術室が必要である。当然お金が掛かり、支えきれる病院の財力が必要である。それをやれるような規模を持った、高機能病院が鹿児島に必要な事は当然である。

平成26年4月2日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

当院について 院長あいさつ ロゴマークについて 新病棟のご紹介 病院の理念 病院概要 地域医療支援病院 鹿児島県がん診療指定病院 開放型病院 指宿医療センターヘリポート 臨床研修 地域医療研修センター 情報公開 個人情報ファイル管理簿 文書ファイル管理簿 「情報公開・個人情報保護総合案内所」に関する広報 法令違反に関する外部からの通報手続きについて 節電行動計画 バリアフリー情報 出前講座 絵画展示のご案内 イベントカレンダー DPCデータによる当院の病院指標 平成27年度 病院指標 平成28年度 病院指標 ボランティア募集 新病棟建設工事の進捗状況 医師募集
診療科紹介 消化器科 循環器科 総合診療内科 小児科 外科 泌尿器科 産婦人科 麻酔科 眼科
部門紹介 看護部 看護部の概要 教育体制 看護単位(病棟)の紹介 薬剤科 治験管理室 診療放射線科 研究検査科 栄養管理室 リハビリテーション科 医療安全管理室 地域医療連携室 ひなぎく病児保育室
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入院のご案内 初めて入院される方へ 病棟案内図
コラム 目の前で人が倒れたら? 子どもの病気について 月経困難症について 女性ホルモンと骨粗しょう症について これからママになるみなさんへ たばこの害について
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0993-22-2231 【FAX】0993-22-3149(ファックス) 【地域医療連携室FAX】0993-22-2772

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職員(コメディカル)募集について(終了)

現在、薬剤師(常勤)の募集を行っております

 

応募資格   : 薬剤師免許取得者

願書受付   : 随時

採用試験日  : 応募状況に応じて選考実施日を決定のうえ、詳細な日時については、

           選考応募者へ 別途ご案内いたします

 

   ※募集要項・申込書については下記よりダウンロードしてください 薬剤師募集要項・願書(pdf)

指宿 菜の花通信(No.54)「田舎医者の流儀(29)・・・動悸(その1)」

「今朝から胸がドキドキしています」、60歳代の男性が訴えてきた。脈をとると速く、不整もある。すぐ心電図を記録することにした。しかし、帰ってきた心電図は、不整脈なく正常であった。「動悸は心電図を記録する前に止まりました」と、よくあることである。不整脈がないのではなく、記録されなかっただけである。動悸の時の心電図が記録されないと、正確な不整脈の診断は出来ない。状況を見て、24時間の心電図記録(ホルター心電図)を試みる。

脈が速くなって動悸と感じる場合以外に、心拍の不整(例えば期外収縮)、拍動を大きく感じる(例えば大動脈閉鎖不全症・・・血圧の上下差が大きい)のも動悸と訴えられる事がある。動悸の診断は心臓の電気現象であるので、心電図記録が必要である。発作性心房細動、発作性上室性頻拍症、心室性頻拍など治療を要する疾患は薬物療法、経皮的カテーテル心筋焼却術などを行なう。この分野の治療は大変進歩してきているので、治療効果が得られることが多くなってきている。

そもそも、心臓は一分間に60回前後拍動する。1時間に3600回、24時間で86400回、一年間で3200万回、寿命を80年とすると26億回動くことになる。人が作った機械では80年もあるいは100年も故障なしに動き続ける事はない。心臓が止まったら、個体の「死」になってしまう、そこで「なんとしても止めない」ように進化してきたと考えられる。心臓には止まらないための機構が多く備わっている。そのために、ちょっとした刺激で、正常以外の所から刺激が出てくる。従って、不整脈の種類も、頻度も多い事になる。

もちろん、致死的な不整脈は十分な治療が必要だが、そうでないものは治療しないこともある。そんな方には「心臓は一日8~10万回打つのですよ。全部間違えないで打ちなさいと言うのは酷ですよ」「24時間心電図を記録すると、全く不整脈のない方は少ないですよ」等と説明する。動悸等の症状がある方には薬をあげても良さそうであるが、実は抗不整脈剤には逆に不整脈を起こす作用(催不整脈作用)を併せ持つ物も少なくない。そこいらの按配を考えて治療する。

脈・心拍が速くなる、原因が心臓以外にあることもある。甲状腺機能亢進症では脈が速くなり、頻脈性心房細動を起こす事もある。貧血がひどいと頻脈になる。あるご婦人が動悸を訴え来院、かなりひどい貧血で、お腹を触ってみると下腹部に大きな腫瘤を触れた。大きな子宮筋腫が見つかり、手術で良くなった事もあった。動悸の時も全身をしっかり診ることが大切だ。

平成26年4月15日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

指宿 菜の花通信(No.53)「田舎医者の流儀(28)・・・新治療」

先週、日本循環器学会総会が東京であった。最近、学会に行くことが少なくなっていたが、専門医の資格を維持するための研修点数が足りないことが判り、3日間学会に出席、多くの演題を聞いた。学会場は国際フォーラムを中心に3会場、東京駅、有楽町駅に近く、利便性の良い所にある。昼飯を食べようと、駅の近くで探すがどこも行列、すぐ入れる店は見つからない。連休中で春休みということもあるのだろう、ともかく人が多い。こんな所で生活している人達(官僚?)の作る政策は、過疎の町の事など抜け落ちていくだろうなと思った。

最近の循環器分野の話題の一つは、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVIと呼ばれている)である。従来、大動脈弁狭窄症の手術は胸を開いて、人工心肺を用いて行われてきた。以前は本症の原因はリュウマチ性、先天性が多かった。しかし、高齢化の進行に伴い、大動脈弁硬化の者が多くなってきた。当然、他に合併症を有する者が増え、更に高度の大動脈硬化・石灰化を有するケースが増えてきた。すると手術のために大動脈を挟んだり、切開をする事が出来なくなり、手術不能例が増えてきた。

そこで、経カテーテル大動脈弁留置術が開発されてきた。画期的な技術で、動脈からカテーテルを入れて、硬化した大動脈弁の部位で広げ、人工弁を装着する手術である。狭心症や心筋梗塞で狭くなった血管を広げる(冠動脈形成術など)治療を行ってきた循環器内科のカテーテル治療専門医が中心になることが多いが、トラブルが起こったら即対応できる心臓外科医、この治療を熟知した看護師、画像処理の出来る放射線技師あるいは心エコーの専門医などのチームが必要である。

従来、チーム医療というと、病院全体に関連するリスク、感染、褥瘡対策などを進めるチームを指すことが多かった。大動脈弁狭窄症の手術というような外科治療、心臓外科医の聖域に、循環器内科医を始め他の分野の者が口出しは出来なかった。そこに熟練したチームを作り、対応することが成功率を上げると考えられるようになってきた。一昔前の循環器医者には考えられない事である。しかし、良好な結果を得ようとすれば当然の事であろう。

この治療には手術台と血管造影装置が一体となった、ハイブリッド型手術室が必要である。当然お金が掛かり、支えきれる病院の財力が必要である。それをやれるような規模を持った、高機能病院が鹿児島に必要な事は当然である。

平成26年4月2日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦