独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

月アーカイブ: 9月 2015

指宿メッセージ No.07 地域医療改革

 日本の医療費が年々増加し、40兆円に達する見込みと言われている。そのうちの4割の16兆円が税金で補てんされる。今から迎える高齢化社会、生産人口と高齢者の割合の不均衡など今後の医療財政は火の車状態である。世界から羨望のまなざしでみられている国民皆保険が維持できない状況になってしまうかもしれない。待ったなしの状況で今年度から地域医療構想の検討会、懇話会が始まる。医療費をいかに削減するかが課題の中心であるが、この際、今の医療システムを再構築し、費用の掛からない有効な仕組みを作るべき時期が来たと思っている。

 医療は命にかかわる事で基本的人権の尊重に基づくものであれば、品物のように市場原理に基づいて考えるべきではない。今まで明確な地域医療構想が無いまま、補助金(血税)が使われたり、地域事情の考慮もなく自由に開業が許されたりした「つけ」が、今都市と地域の医師偏在、地域医療較差という形になっているのかもしれない。

 医療を単にビジネスと捉えるアメリカでは、巨大化した薬品会社、保険会社、病院・介護株式会社が牛耳っており、会社のため、株主のための利益を追求する手段の一つに成っている。マニュアル化(ガイドライン化)することでサービスの均一化、医療や介護を標準化し、地域格差をなくすと言っているが、何か無機質な、人のぬくもりを感じない医療に成りそうで怖いものを感じる。本来日本人はこのような形は望まないのでは・・・。マニュアル第一で、主役の患者さんが見えないシステムとも言える。会社の損得でいろんな事が決定されると、地域は費用対効果が悪く切り捨ての対象に成りそうである。

 地域医療構想における改革は、今まで野放し状態であった医療介護に制限を設ける事にもなり、簡単には進まないと思うが、目先の事ではなく持続可能な仕組みを早急に作らなければ、日本の地域医療は完全に崩壊する危険性があり、日本の田舎では人が住めない状況に陥りかねない。

 各地域には古くから伝わる方言が有るように、日本全国、画一的な医療や介護は不可能と思っている。今回の地域医療構想が地域の、地域のための、地域による医療システムを作るきっかけになれば幸いである。

平成27年9月16日

 国立病院機構指宿医療センター 院長
 田 中 康 博

市民公開講座のお知らせ

 指宿医療センターでは市民の皆様を対象とした公開講座を企画しております。入場は無料です。
皆様お誘いあわせのうえ、多数のご参加をお待ちしております。

日 時  平成27年10月12日(祝日・月)
      講演 14時00分~16時00分
    (開場13:00 会場ではポスター展示等の催しを行っております)

会 場  指宿市民会館 大ホール (指宿市東方12000)

内 容  「“がん”について知ろう!」
     第一部 講演
     第二部 ディスカッション

その他  指宿健幸マイレージ対象

第2回市民公開講座

広報誌「菜の花」 No.34

指宿医療センター広報誌「菜の花」34号発行致しました。

下記のPDFよりご覧ください。
菜の花No.34(全6ページ)

※ファイルサイズが大きいため、開けない場合は以下の「ページ別PDF」をご覧ください。
菜の花No.34(1ページ)
菜の花No.34(2ページ)
菜の花No.34(3ページ)
菜の花No.34(4ページ)
菜の花No.34(5ページ)
菜の花No.34(6ページ)

指宿 菜の花通信(No.72)「田舎医者の流儀(47)・・・医療費」

厚生省は、平成25年度、日本の総医療費が40兆円に達する見込みと発表した。高齢化と医療の高度化(高額薬品、高額医療機器など)が要因であるとした。今後もこの傾向は続くので、医療費の上昇は続くと考えられる。医療費の財源は、1割が患者の窓口負担、5割が保険料、4割が税金である。

ここ数年、総医療費は1~2%ずつ増えている、今後も増加要因は続くので、医療費の上昇は避けられない。国民皆保険制度を維持しながら、これにどう対応していくのか。原理的には、出の部分の医療費の増加を抑え、入りの財源を確保するしかない。患者負担増、保険料を上げる、税金投入を増やすなどが考えられるが、現実的にはいずれも限界に来ていると言わざるを得ない。

医療費に関連するのは、患者、国民の受療者、診療側の医療者、それに医療材料を提供する薬品業界、医療機器メーカー、それに医療政策を担う厚生・労働省である。それぞれが医療費の増加を食い止める努力が求められている。C型肝炎の薬は一錠10万円、12週一クール使うと800万円掛かることになる。大動脈弁狭窄症の治療に使う人工弁(TABI手術)は一個350万円もする。開発の費用等を考慮してそのような値段になったのだろうが、一定の時間がたったら、市場調査の上、当然引き下げていくべきである。厚生・労働省の力量が問われている。

厚生・労働省にもう一つ真剣に取り組んで貰いたいのは、医療機器の内外価格差の件である。ペースメーカー(デュアルチャンバー型約148万円)、冠動脈形成術カテーテル(一般型約17万円)などの高額医療機器の値段が米国の1.5倍から2倍である。平成21年、国会でも取り上げられ、改善を求められているが、それから6年も経つのに、何も解決していない。どこに問題があるのか、明らかに不合理な問題である。保険財政が厳しくなっている、国民に負担を求めるなら、解決すべきである。

昨日、風邪症状で診察を受け、薬をもらったけど鼻水、咳がまだ続いている。なんで良くならないのだと再受診された。聴診器を当て、診察したが悪化の傾向はない。確かに「薬」もらったのに、風邪症状は全部とれていない。「風邪は一日では良くなりませんので今のお薬で様子見てください」と話し、それでも具合が悪いときはまた診ましょうということにした。患者さん側もコンビニに行くみたいに病院に受診せず、かかりつけの医を持ち、必要な時、必要な医療を受けるようにすべきであろう。そんな小さな努力を積み重ねて、世界に冠たる皆保険制度を守りたいものだ。

平成27年9月11日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

当院について 院長あいさつ ロゴマークについて 新病棟のご紹介 病院の理念 病院概要 地域医療支援病院 鹿児島県がん診療指定病院 開放型病院 指宿医療センターヘリポート 臨床研修 地域医療研修センター 情報公開 個人情報ファイル管理簿 文書ファイル管理簿 「情報公開・個人情報保護総合案内所」に関する広報 法令違反に関する外部からの通報手続きについて 節電行動計画 バリアフリー情報 出前講座 絵画展示のご案内 イベントカレンダー DPCデータによる当院の病院指標 平成27年度 病院指標 平成28年度 病院指標 ボランティア募集 新病棟建設工事の進捗状況 医師募集
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891-0498 鹿児島県指宿市十二町4145
【電話】
0993-22-2231 【FAX】0993-22-3149(ファックス) 【地域医療連携室FAX】0993-22-2772

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指宿メッセージ No.07 地域医療改革

 日本の医療費が年々増加し、40兆円に達する見込みと言われている。そのうちの4割の16兆円が税金で補てんされる。今から迎える高齢化社会、生産人口と高齢者の割合の不均衡など今後の医療財政は火の車状態である。世界から羨望のまなざしでみられている国民皆保険が維持できない状況になってしまうかもしれない。待ったなしの状況で今年度から地域医療構想の検討会、懇話会が始まる。医療費をいかに削減するかが課題の中心であるが、この際、今の医療システムを再構築し、費用の掛からない有効な仕組みを作るべき時期が来たと思っている。

 医療は命にかかわる事で基本的人権の尊重に基づくものであれば、品物のように市場原理に基づいて考えるべきではない。今まで明確な地域医療構想が無いまま、補助金(血税)が使われたり、地域事情の考慮もなく自由に開業が許されたりした「つけ」が、今都市と地域の医師偏在、地域医療較差という形になっているのかもしれない。

 医療を単にビジネスと捉えるアメリカでは、巨大化した薬品会社、保険会社、病院・介護株式会社が牛耳っており、会社のため、株主のための利益を追求する手段の一つに成っている。マニュアル化(ガイドライン化)することでサービスの均一化、医療や介護を標準化し、地域格差をなくすと言っているが、何か無機質な、人のぬくもりを感じない医療に成りそうで怖いものを感じる。本来日本人はこのような形は望まないのでは・・・。マニュアル第一で、主役の患者さんが見えないシステムとも言える。会社の損得でいろんな事が決定されると、地域は費用対効果が悪く切り捨ての対象に成りそうである。

 地域医療構想における改革は、今まで野放し状態であった医療介護に制限を設ける事にもなり、簡単には進まないと思うが、目先の事ではなく持続可能な仕組みを早急に作らなければ、日本の地域医療は完全に崩壊する危険性があり、日本の田舎では人が住めない状況に陥りかねない。

 各地域には古くから伝わる方言が有るように、日本全国、画一的な医療や介護は不可能と思っている。今回の地域医療構想が地域の、地域のための、地域による医療システムを作るきっかけになれば幸いである。

平成27年9月16日

 国立病院機構指宿医療センター 院長
 田 中 康 博

市民公開講座のお知らせ

 指宿医療センターでは市民の皆様を対象とした公開講座を企画しております。入場は無料です。
皆様お誘いあわせのうえ、多数のご参加をお待ちしております。

日 時  平成27年10月12日(祝日・月)
      講演 14時00分~16時00分
    (開場13:00 会場ではポスター展示等の催しを行っております)

会 場  指宿市民会館 大ホール (指宿市東方12000)

内 容  「“がん”について知ろう!」
     第一部 講演
     第二部 ディスカッション

その他  指宿健幸マイレージ対象

第2回市民公開講座

広報誌「菜の花」 No.34

指宿医療センター広報誌「菜の花」34号発行致しました。

下記のPDFよりご覧ください。
菜の花No.34(全6ページ)

※ファイルサイズが大きいため、開けない場合は以下の「ページ別PDF」をご覧ください。
菜の花No.34(1ページ)
菜の花No.34(2ページ)
菜の花No.34(3ページ)
菜の花No.34(4ページ)
菜の花No.34(5ページ)
菜の花No.34(6ページ)

指宿 菜の花通信(No.72)「田舎医者の流儀(47)・・・医療費」

厚生省は、平成25年度、日本の総医療費が40兆円に達する見込みと発表した。高齢化と医療の高度化(高額薬品、高額医療機器など)が要因であるとした。今後もこの傾向は続くので、医療費の上昇は続くと考えられる。医療費の財源は、1割が患者の窓口負担、5割が保険料、4割が税金である。

ここ数年、総医療費は1~2%ずつ増えている、今後も増加要因は続くので、医療費の上昇は避けられない。国民皆保険制度を維持しながら、これにどう対応していくのか。原理的には、出の部分の医療費の増加を抑え、入りの財源を確保するしかない。患者負担増、保険料を上げる、税金投入を増やすなどが考えられるが、現実的にはいずれも限界に来ていると言わざるを得ない。

医療費に関連するのは、患者、国民の受療者、診療側の医療者、それに医療材料を提供する薬品業界、医療機器メーカー、それに医療政策を担う厚生・労働省である。それぞれが医療費の増加を食い止める努力が求められている。C型肝炎の薬は一錠10万円、12週一クール使うと800万円掛かることになる。大動脈弁狭窄症の治療に使う人工弁(TABI手術)は一個350万円もする。開発の費用等を考慮してそのような値段になったのだろうが、一定の時間がたったら、市場調査の上、当然引き下げていくべきである。厚生・労働省の力量が問われている。

厚生・労働省にもう一つ真剣に取り組んで貰いたいのは、医療機器の内外価格差の件である。ペースメーカー(デュアルチャンバー型約148万円)、冠動脈形成術カテーテル(一般型約17万円)などの高額医療機器の値段が米国の1.5倍から2倍である。平成21年、国会でも取り上げられ、改善を求められているが、それから6年も経つのに、何も解決していない。どこに問題があるのか、明らかに不合理な問題である。保険財政が厳しくなっている、国民に負担を求めるなら、解決すべきである。

昨日、風邪症状で診察を受け、薬をもらったけど鼻水、咳がまだ続いている。なんで良くならないのだと再受診された。聴診器を当て、診察したが悪化の傾向はない。確かに「薬」もらったのに、風邪症状は全部とれていない。「風邪は一日では良くなりませんので今のお薬で様子見てください」と話し、それでも具合が悪いときはまた診ましょうということにした。患者さん側もコンビニに行くみたいに病院に受診せず、かかりつけの医を持ち、必要な時、必要な医療を受けるようにすべきであろう。そんな小さな努力を積み重ねて、世界に冠たる皆保険制度を守りたいものだ。

平成27年9月11日

 国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

地域医療研修センター移設のお知らせ

新病棟建築準備工事に伴い、地域医療研修センターを移設しましたのでお知らせします。

新地域医療研修センター