独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

お知らせ

指宿 菜の花通信(No.98)「田舎医者の流儀(73)・・・電子カルテ」

2017年8月9日(水) 菜の花通信


 6月初めより、指宿医療センターもついに電子カルテへ移行となった。医師になって48年、手書きでカルテを作ってきたが、キーボードを叩いて所見を記載していくことになる。患者さんの訴え、検査の指示、処方など、全てを打ち込まないといけない。コンピュータは約束事が一杯あるので、その手順を間違えると一歩も前に進めず、四苦八苦することになる。私が苦労する分は構わないが、その分患者さんは待たされることになる。一週目は「一時間も待たされた」とお叱りを受けた。それまで30分以内のコンタクトを心がけていたので、一時間は長いのだ。


 院長さんは、はなから73歳の老医には無理だろうと見越したのだろう、有能なクラークさん(診療を補助するスタッフ)を付けてくれた。操作のわからない部分は彼女が殆んどしてくれるし、教えてくれる。一緒にやっているとクラークさんの能力の高さが判ってきた。紹介状も私が口述するのを殆どそのスピードで打ち込んでくれる。ある面、今までよりスピードアップしたともいえる。有能なクラークさんをうまく「利用」すると楽になる面があることが判ってきた。一ヶ月経ったら、紙カルテ時代と同じ様に30分以内のコンタクトが可能になりつつある。それでも、時々は操作に詰まり一人の患者さんに15~20分を要し、「このぼろコンピュータめ」と悪態をついて、周りから白い目で見られている。


 最近のAI技術の進歩は著しく、将棋、チェスの名人たちがコンピュータに打ち負かされ、不可能と思えた自動車の自動運転も実用化の一歩手前まで来ている。CT、MRIなどの画像診断もAI技術の導入で見逃しが少なくなるといわれている。病気の診断は従来我々の蓄積した知識と経験で行ってきたが、これもロボットにさせるとより特殊な疾患も診断出来る可能性が示唆されている。今後AI技術の応用は加速度的に進み、医学・医療の在り方を大きく変えていく可能性がある。


 AIの進歩は留まることを知らないし速い。「未来学者のレイ・カーツワィルは、2029年までにコンピュー夕は人間と同等の知能を持つようになる・・・そして、2045年にはコンピユー夕は全人類の脳の総計より10億倍、賢くなっている、と言う」「産業革命の時代、織物エは蒸気機関に仕事を奪われた。そして今、第二次機械化時代になり、AIとロボットが「中流」と呼ばれる人々の仕事を奪う」「オックスフォード大学の学者は、20年以内に米国人の仕事の47パーセン ト以上とヨーロッバ人の仕事の54パーセントが機械に奪われる危険性が高い、と予測する」(参考文献:ルトガー・ブレグマン著(野中香方子 訳)『隷属なき道』文藝春秋、2017年)


 そうなると大失業時代が到来することになる。医師、看護師らは今、過重労働に悩まされている。ロボットさんに代行して頂く部分はそちらに任して、本来の患者さんに接する部分を増やしていければよろしいが・・・そのためには医療制度も変わらなければならない。ブレグマンさんの意見はラジカルで一日三時間労働を目指すべきだという。AIやロボットが一部の者の儲けの手段にされたら社会は大変不安定になってしまう。技術の進歩は止められない。それが人の幸せに向けられて行く事を目指すべきであろう。



平成29年8月2日


国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦


当院について 院長あいさつ 病院概要 当院の特色 新病棟のご紹介 指宿医療センターヘリポート 臨床研修 地域医療研修センター 情報公開 個人情報ファイル管理簿 文書ファイル管理簿 「情報公開・個人情報保護総合案内所」に関する広報 法令違反に関する外部からの通報手続きについて 節電行動計画 バリアフリー情報 出前講座 絵画展示のご案内 イベントカレンダー DPCデータによる当院の病院指標 平成27年度 病院指標 平成28年度 病院指標 ボランティア募集 新病棟建設工事の進捗状況 医師募集
診療科紹介 消化器科 循環器科 総合診療内科 小児科 外科 泌尿器科 産婦人科 麻酔科 眼科
部門紹介 看護部 看護部の概要 教育体制 看護単位(病棟)の紹介 薬剤科 治験管理室 診療放射線科 研究検査科 栄養管理室 リハビリテーション科 医療安全管理室 地域医療連携室 ひなぎく病児保育室
外来のご案内 外来を受診される方へ 外来案内図 今月の外来担当医師 文書料および予防接種料 セカンドオピニオン 人間ドック 専門外来担当医師・診療時間 物忘れ外来 母乳外来 遺伝カウンセリング外来
入院のご案内 初めて入院される方へ 病棟案内図
コラム 目の前で人が倒れたら? 子どもの病気について 月経困難症について 女性ホルモンと骨粗しょう症について これからママになるみなさんへ たばこの害について
お知らせ アクセス お問い合わせ 採用情報 プライバシーポリシー サイトマップ
独立行政法人国立病院機構指宿医療センター
891-0498 鹿児島県指宿市十二町4145
【電話】
0993-22-2231 【FAX】0993-22-3149(ファックス) 【地域医療連携室FAX】0993-22-2772

Back to top

Copyright © 2013 National Hospital Organization Ibusuki Medical Center All Rights Reserved.