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指宿 菜の花 通信(No204) 田舎医者の流儀(179)・・・小冊子が出来ました

 2021年1月より南日本新聞「論点」欄の執筆を求められ、12月まで10回記事を書いた。この10回分を小冊子にしようと、正月明けの1月より準備にかかった。小冊子にするにあたり、新聞社にも了解していただいた。本文、表紙、序文、あとがき、それに前回同様家人の撮った花写真などの原稿を編集人Aさん、Oさんに渡した。

 2月末には一次稿が出来上がり、校正を始めた。数回の打ち合わせを経て、6月初めには本が出来上がった。500部印刷し、循環器グループの先生方(約90名)、あとお付き合いのある方約300名計400名近くに郵送した。60名以上の方からやお手紙やメールを頂いた。過分な評価いただいたことに感謝している。また、家人の花写真が良く取れていると褒められていたので家人は嬉しそうであった。

 後輩のT先生はA4紙に3枚半の長文の感想文を寄せてくれた。「全体として先生の視点を通して社会の問題点をまず提起し、社会学と自然科学を組み合わせた視点でその病理や解決策を提示した点がユニークと感じ、双方の学問を結び付けた概念に」共感したと言って頂いた。「サルも小鳥も嘘をつくという章は特に気に入った、人間以外の動物のこのような行動に関して初めて知った」「老医を生きるの章は特に感銘を受けた。〝日々、見知らぬ自分と逢うのが老いと言うものか″・・・藤沢周著「世阿弥最後の花」・・・というこの文章がこの章を一行でまとめているように感じた」との感想を戴いた。家人の花写真撮りの仲間Sさんも上記の世阿弥の言葉に感動し、この小説「世阿弥最後の花」をぜひ読みたいと言われるので、この本をお貸しした。

 平成30年(2018年)6月に「田舎医者の流儀(自家出版)」を出したので2冊目の本になった。それなりにエネルギーのいる作業になるけれど、この時の編集人Aさん、Oさんのコンビが力を貸してくれたので今回も気にいった体裁のものが出来上がった。似顔絵をゴルフ仲間のMさんに書いていただいた、なかなかの出来栄えで評判が良いので嬉しい。

 相変わらず指宿医療センターHPに「菜の花通信」を書き続けている。先日200号になった。今は月2回位のペースで書いている。よくそんなに書くことがありますねと言われるけど、不思議にテーマは湧いてくる。知らない事が多いし、面白そうな本があると読みたくなる。本は新聞の書評を見て選んでいる。新聞の書評は日曜日に乗るのでなんとなく日曜の朝はワクワクする。本を読むと書きたいことも多くなる。

 

令和4年7月6日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦