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指宿 菜の花 通信(No232) 田舎医者の流儀(207)・・・ついに咲いたよ

 桜ランがついに花を付けた。坊津の実家の入り口に、大木に這うように育っていた桜ランは、夏になると花を付けてかすかな芳香を出していた。我が家の夏の風物詩で、帰省した時の楽しみの一つであった。城西に家を建てた時これを植えて2夏ぐらいは花を咲かした。しかし、強い寒波の後枯れてしまった。坊津は無霜なので路地でも育っていたが、鹿児島では寒波が酷いので育たなかった。家人が言うには坊津秋目の空き家の入り口や開聞の神社の庭に桜ランの大きな株があるそうだ。いずれも霜の降らない地区である。

 2016年小山田に農園を作ってそこで桜ランを育て、花を咲かせようとした。小山田の方の寒波が酷いのでさし木で育てようとしたが失敗した。寒さ対策で、冬場は小屋の中に入れて枯れずに済んだが、今度は真夏の酷暑に葉が日焼けして枯れてしまった。寒さにも酷暑にも弱いことが判った。そんな経験を経て暑さ、寒さ対策をしてこの2年間は育ててきた、それでも花を咲かせるのは難しいと思っていた。ところが6月のはじめ蕾が5個出てきて、6月8日にはついに花が咲いた。7年目でやっと花を咲かせる事が出来た。諦めないで工夫をしてきたのが良かったのか。

 桔梗は今年も紫色の花が咲いた。4-5年前に植えた苗が毎年咲いている。桔梗は多年草なので今年も咲いてくれた。特別な対応をしなくても咲いてくれる。この土地に合っているのかもしれない。紫陽花の濃い青の花を咲かせたいと思って、昨年挿し木した苗が今年は期待通りの濃い青の花を咲かした。酸性の土にしたのが良かったのかな。思った色の花を咲かせるのは容易ではないが工夫する楽しみがある。

 徳さんがイチジクの苗を植えてくれた。実を付けさせるためには土づくりが大事と落ち葉から作った腐葉土を根っこに撒いて苗を大きく育てるのだという。柿の木も植えているがこれも土が大事と土づくりに精出している。大きく育って美味しい実がなることを楽しみにしている。以前から植えているブルーベリーは昨年実が一杯なったが、今年は数が少ない。昨夏の暑い時期水やりが少なかったかな。ブルーベリーも実が多くなるためには酸性の土壌が良いと言われる。酸性用の肥料の投与が少なかった可能性もある。反省・反省。

 今年も、農園ではつくしすみれの可憐な花が咲いた。不思議な事に毎年生える位置が変わる。どうしてそうなるのかが判らなかったが、最近読んだ本(雑草のふしぎ、稲垣栄洋著)によるとスミレはアリに種子を運んでもらっているという。アリさんが絡んでいたとは面白いね!

令和5年6月9日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦