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指宿 菜の花 通信(No246) 田舎医者の流儀(221)・・・2024年は明けた

 2024年1月1日朝、何時ものように5時前に起きだし、居間の薪ストーブに火をつけ暖を取った。仏壇の前に行って蠟燭と線香に火をつけ、りんを鳴らしてその余韻が消えるまで波阿弥陀仏を唱える。抹茶を作り、薪ストーブ前のソファーに座りその炎を眺めながら、小さなお菓子と共にそれを味わう。いつもと変わらない冬の朝のおつとめだ。

 新聞を読んだりしていると家人が起きだしてきた。元旦であるのでお雑煮の準備を始めた。雑煮は好きなので出来上がるのを楽しみに待つ。昨日デパートから届いたおせち料理を食卓に並べ、二人で雑煮とおせちを頂いた。ついつい、栗金時や黒煮豆などの好きな方に箸が向かう。糖尿病なのでかねては炭水化物の過剰摂取に気を使っている。気にしいしいおせち料理を堪能した。

 照国神社にお参りに行くことにし、城西の自宅から歩き、30分ぐらいで着いた。お参りの人が多く並んで順番を待つ。この神社は例年正月3が日で30万人の参拝客がいると言われているが、コロナ明けでもあり人出は多い。札幌の孫が中学受験で1月になったら試験が始まるという。無事合格してくれると良いが、ジジババとしては何もしてやれないので神頼みした。息子と娘の受験の時も鹿児島の神社を幾つかお参りした。そんなことを二人で思い出しながら歩いた。

 今年の正月は穏やか日和だ。天文館方向に歩き、農園に行こうとバスに乗った、30分弱で小山田に着いた。10分弱歩くと農園に着く。この農園を作って今年で8年目だ、キンカンが実っている、しいたけも取れる。年末ホウレン草、小松菜、大根の種をまいたので葉っぱが出て来た。野菜として収穫できるか、肥料をやったり、水を撒いたりしている。この時期なので水仙が蕾を付けている、そのうち白い花が咲くだろう。

 穏やかな元日と思っていたら、夕方、石川県能登半島で最大震度7を観測する大きな地震が起こり。倒壊した大きなビルの画像が報道され被害の大きさが懸念された。冬場の寒い中、停電、断水が起こりライフラインは寸断された。死傷者・行方不明者も時間を経るごとに多くなっている。大きな地震はどういうわけか冬場が多い、避難生活も厳しい状況になる。まだまだ大きな余震も予想されており困難さが続いている。

 翌2日には羽田空港で着陸した日航ジャンボ機が出発予定の小型機と衝突、炎上する事故が起こった。奇跡的にジャンボ機の乗客・乗員は一人も死者は出なかった。予ての乗員の訓練の賜物であろう、敬意を表する。小型機の乗員は5名の死者が出た、残念なことになった、管制とのやり取りに齟齬があったようだ、残念ながら今回はヒューマンエラーのようだ。事故原因を究明し、再発防止に繋げなければならない。個人的には息子夫婦が札幌にいるのでこの便は何度も利用した、いつ災難に襲われるか判らないという思いをしている。

 2024年は天気も良く穏やかに開けたと思ったが、地震と航空機事故の発生で波乱を予測される年明けとなった。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ進行などで多くの罪なき市民が犠牲になっている。中国不動産危機など世界経済は不透明感を増している。昨年、地球沸騰と言われた気候変動は有効な改善策を打ち出せていない。このままでは地球は生物の住めない星になってしまう。今年は11月アメリカ大統領選挙など重要な政治イベントも多い。市民にとっては民主主義を守り、平和で自由な社会を持続させるのか正念場となりそうだ。

令和6年1月10日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦